卵巣の痛みの原因とは
毎月排卵期に卵巣の左右どちらかに痛みを感じる女性は少なくありません。排卵が起こる側に痛みが走り、注意は引くものの、診察が必要なほどではないことが多いです。しかし、排卵に伴う「正常な」痛みだけでなく、卵巣痛を引き起こすさまざまな原因があります。
黄体嚢胞(Corpus Luteum Cyst)
黄体嚢胞は、排卵後に卵胞が血液で満たされて破裂したり、液体がたまって形成されます。破裂すると急激で鋭い痛みが生じ、嚢胞が大きくなると卵巣がねじれ(卵巣捻転)し、血流が遮断されて腹部や骨盤に激しい痛みを引き起こすことがあります(Mayo Clinic)。
卵巣捻転と膀胱への圧迫
大きな卵巣嚢胞ができると、周囲の臓器を圧迫します。膀胱が押されると尿意が強くなり、頻尿感を覚えることがあります。皮様嚢胞(dermoid cyst)などは、毛髪や歯といった組織を含むことがあり、サイズが増すと卵巣がねじれて激しい痛みを伴う卵巣捻転を起こすことがあります。
ミトテルシュメルツ(Mittelschmerz)とは
卵胞嚢胞が破裂すると、嚢胞がある側に鋭い痛みが走ります。排卵が起きない、または成熟した卵胞が自己崩壊した場合に形成されるこの痛みは「ミトテルシュメルツ」と呼ばれ、月経周期の中間、すなわち排卵期に発生します。嚢胞は直径約5.8cmまで成長することがあります。
その他のトラブル例
出血性嚢胞は嚢胞内で出血が起こり、片側の腹部に痛みを生じます。子宮内膜組織が卵巣に侵入すると、月経時に慢性的な痛みを引き起こす「子宮内膜症嚢胞(endometrioma)」となります。
機能性卵巣嚢胞の注意点
排卵時に卵子を包む嚢が形成されますが、卵子が放出されない、あるいは嚢が閉じたままになると液体がたまり、嚢胞が肥大します。大きくなると破裂・出血・ねじれを起こし、強い痛みを伴うことがあります。
卵巣摘出後の残存症候群
卵巣を全摘出した後でも、一部組織が残っていると「卵巣残存症候群」として痛みが出ることがあります。残存組織が嚢胞化したり、エストロゲンを産生し続けると子宮内膜が増殖し、再び子宮内膜症を引き起こす可能性があります。
