HCGホルモンとは何か?
ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)は、妊娠中に胎盤の細胞から分泌されるホルモンです。受精卵が子宮壁に着床すると、胎盤が形成されるまでの栄養供給を助けます。受精から約12〜14日で尿中に検出でき、以降は約3日ごとに倍増し、妊娠14週頃でピークに達します。その後は徐々に低下します。
妊娠中のhCG値
hCGは mIU/ml(ミリ国際単位/ミリリットル)で測定され、妊娠週数に応じた目安があります。
- 3週目:5〜50 mIU/ml
- 4週目:5〜426 mIU/ml
- 5週目:18〜7,340 mIU/ml
- 6週目:1,080〜56,500 mIU/ml
- 7〜8週目:7,650〜229,000 mIU/ml
- 9〜12週目:25,700〜288,000 mIU/ml
多胎妊娠の場合はこれより高くなることが多く、単胎でも個人差があります。
hCG値への影響要因
以下の要因がhCG測定に影響します。
- 流産:hCGが妊娠前レベルまで急激に低下します。
- hCG含有の不妊治療薬:体内のhCG濃度を人工的に上昇させます。体外受精(IVF)や人工授精(IUI)で使用されます。
hCG値が高い場合
hCGが予想以上に高いときは、48〜72時間以内に追加検査が行われます。主な原因は次の通りです。
- 妊娠週数の計算ミス
- 胞子性妊娠(胎児が存在しない妊娠嚢)
- ダウン症候群
- 多胎妊娠
hCG値が低い場合
妊娠初期にhCGが上昇せず、むしろ低下する場合は以下が疑われます。
- 妊娠週数の計算ミス
- 流産の可能性
- 子宮外妊娠(主に卵管)
検査の留意点
hCGは特別な理由がない限り定期的に測定されません。出血や激しい痙攣、過去の流産歴がある場合に再測定が検討されます。流産後は約4〜6週間でhCGは妊娠前レベル(5.0 mIU/ml未満)に戻りますが、流産の形態(自然流産、薬剤中絶、外科的除去)により期間は変わります。
