製薬業界における規制業務の重要性
米国で最も規制が厳しい産業の一つである製薬業界は、処方薬の製造・試験・販売を行う企業群です。各社は、連邦・州の法令に適合した手続きを確保するために規制業務部門(Regulatory Affairs)を設置しています。この部門は手順の妥当性を検証し、社内の各部門へ基準を伝達するとともに、規制当局との窓口役を担います。
規制業務の橋渡し役
規制担当者は米国食品医薬品局(FDA)などの行政機関と企業の間のリエゾン(仲介)として機能します。社内では研究開発(R&D)部門、コンプライアンス部門、生産部門と連携し、連邦・州のガイドラインの解釈を共有します。全ての部門が法令に沿った行動を取れるよう調整することが求められます。
遵守すべき主な法規
規制担当者が最も頻繁に参照する法規は、米国法典(21 CFR)第1章から第1299章までです。加えて、環境保護庁(EPA)、連邦取引委員会(FTC)、薬物取締局(DEA)、連邦通信委員会(FCC)、労働安全衛生局(OSHA)などが、製造・試験・表示・広告に関する追加規則を定めています。
求められる知識
「Chemical & Engineering News Washington」のコリン・A・マラスコ氏によれば、規制当局は国内外で拡大する規制の範囲と複雑性に対応する必要があります。そのため、規制担当者は臨床研究プロトコル、法規制環境、国際的な規制動向に精通していなければなりません。これにより、適切なコンプライアンス戦略を策定できます。
科学的知識の重要性とトレンド
規制担当者にとって、科学・臨床プロセスへの理解は重要な強みです。Regulatory Affairs Professional Society(RAPS)のエグゼクティブ・ディレクター、シェリー・ケラミダス氏は「臨床プロセスとその課題を理解することで、臨床試験の実現可能性を評価できる」と述べています。Genitope社の規制担当副社長で化学者のボニー・シャルパンティエ氏は、近年は「実質的な科学的・医療的課題の検討や、承認取得を目指す実験・臨床計画の立案」に重きを置く傾向が強まっていると指摘しています。その結果、新たに採用される人材は、質問を提起し答えを導く跨学科的な能力が求められます。
企業への貢献とリスク管理
規制担当者は、法的リスクを回避しつつ企業の財務的成果や長期戦略に寄与する役割も担います。具体的には、意思決定に伴うリスクを評価し、潜在的な結果を予測した上で、リスクを取るか否かを判断します。
