信託は資産を長期介護から守れるか?
長期介護費用は、継続的に介護が必要になると現在の資産や将来の資産を急速に減らす恐れがあります。多くの場合、長期介護費用の支援としてメディケイド保険に頼ることになりますが、受給資格は資産やリソースが限られていることが条件です。さまざまな信託形態を利用すれば、メディケイド支援が必要なときに現在および将来の資産を保護できます。
資産保護
長期介護費用を考慮する際、資産保護は特定の資産やリソースが介護費用の支払い能力としてカウントされないようにします。長期介護保険や信託を活用すれば、既存資産や将来得られる資産を介護費用から守ることが可能です。保険を事前に加入しておけば介護費用の一部をカバーできますが、予期せぬ長期介護が必要になると保険だけでは足りない場合があります。メディケイドは残りの介護費用を補填しますが、保有できる資産に上限があります。特定の信託(例:不可逆信託)を利用すれば、メディケイドの受給資格を維持しつつ、投資や不動産、金利が付く口座といった資産や収入源を保護できます。
メディケイド要件
長期介護費用の支援を受けるには、メディケイド健康保険プログラムに申請します。メディケイドは連邦プログラムですが、州ごとに運営されるため資格要件は州によって異なります。主な要件のひとつに「遡及期間(look‑back period)」があり、過去に保有していた資産やリソースがカウントされます。不可逆信託の場合、この遡及期間は5年です。つまり、メディケイド受給を申請する5年前に信託を設立すると、その信託はカウント可能な資産とみなされ、本人の自己負担額(spend‑down)に加算されます。自己負担額が満たされるまでメディケイドの給付は開始されません。
信託契約の種類
信託は資産を法的に保護されたエステートに移す仕組みです。通常、受益者が資産を管理し、所有者はその資産の権利を保持します。信託は「可逆(revocable)」「不可逆(irrevocable)」の2種類に大別されます。可逆信託は設立者がいつでも支配権を取り戻せるため、長期介護費用の対象資産としてカウントされ、保護効果はありません。一方、不可逆信託は支配権が受益者に移り、設立者は資産へのアクセス権を失います。そのため、不可逆信託はメディケイドの資産保護に有効です。
考慮すべきポイント
長期介護保険に加入できない、あるいは加入が拒否された場合、メディケイド資産保護信託(MAPT)を検討できます。MAPTは不可逆信託と同様に資産保護を提供しつつ、メディケイド受給資格を維持します。MAPTも5年の遡及期間が適用され、受益者が信託資産を管理します。資産の所有者は実質的に資産への支配権を持たず、収益を生む資産(例:賃貸不動産の家賃収入)だけが保護対象となります。社会保障、退役軍人年金、障害給付などはカウント対象外なので、これらの給付はそのまま受け取れます。
