米国における無保険者の実態と統計
無保険者の実態
2010年、米国では約4,500万人が健康保険に加入していないと政府が推計しています。Kaiser Family Foundation(KFF)によると、無保険者の34%は貧困線以上の収入があり、約80%は働いているか、家族に働く成人がいるとされています。
保険が提供されない理由
多くの無保険者は雇用主から健康保険のオファーを受けていません。2007年の雇用主提供の家族保険の平均年額は12,106ドルであり、低所得層は雇用主からの大幅な負担がなければ加入が難しいとKFFは指摘しています。特に若年層(19〜29歳)が最も多く、全無保険者の29%を占めます。
メディケイド対象外
KFFによれば、メディケイドは低所得の子ども、親、妊婦、障害者、高齢者が対象です。そのため、子どもがいない65歳未満の健康な成人はメディケイドの対象外となり、貧困層であっても保険に加入できません。制度への理解不足や手続きの複雑さが原因で、対象可能者の約4割が保険に入れない状況です。
既往症による保険拒否
既往症が原因で保険加入を断られるケースは依然として多く、Commonwealth Fundの調査では1,300万人以上が既往症により保険を受けられないと報告されています。癌やAIDSなどの重篤な病気から膀胱炎のような軽症まで、幅広い既往症が対象です。
医療費の実態
保険未加入者は病院費用を全額自己負担せざるを得ません。MSN Moneyのデータによれば、胃バイパス手術は南部で約6万ドル、ミッドウエストでの除細動装置埋め込みは約10万ドルに達します。がん治療薬は月額2,000ドルを超え、全治療費は100万ドルを超えることもあります。
診療を受けないことの代償
KFFは、無保険者の約25%が必要な医療を全く受けていないと指摘しています。その結果、毎年2万人以上の無保険成人が早期死亡しています。予防検診や定期健康診断を受けないことで、がん・糖尿病・心疾患などの早期発見機会が失われ、死亡リスクが大幅に高まります。
