トリコチロマニア(毛髪抜去症)

定義

トリコチロマニア学習センターはこの障害を「頭皮、まつげ、眉毛、体毛などの毛髪を抜く衝動に駆られ、目立つ抜け毛が生じる状態」と定義しています。

症状の程度は人によって異なります。衝動をうまく抑えられる人もいれば、抑えきれずに抜いてしまう人もいます。重症例では無意識に抜いていることもあり、本人が自覚していないことがあります。

症状

毛髪を抜く行為は目立たない部位で行われたり、メイクやウィッグで隠したりするため、診断が難しいことがあります。主な症状は以下の通りです。

  • 頭部や体の特定部位に抜け毛ができる。
  • まつげや眉毛が抜ける、欠損する。
  • 抜いた毛髪を食べたり、いじったりする。
  • 頭頂部の抜け毛が円形に広がり、僧侶の髪型(「フライヤー・タック」サイン)に似た形になることがある。

合併症

トリコチロマニアは単なる習慣ではなく、身体的・精神的に深刻な問題を引き起こすことがあります。

  • 恥ずかしさや屈辱感からうつや不安障害が生じる。
  • 毛包や皮膚が損傷し、永久的な脱毛になることがある。
  • 繰り返し毛髪を引くことで手や指に負担がかかり、手根管症候群になるリスクがある。
  • 抜いた毛髪を大量に摂取すると、毛球(トリコベゾア)と呼ばれる腸や胃の閉塞を起こし、最悪の場合致命的になることがある。

治療

認知行動療法(CBT)と薬物療法の併用が効果的とされています。治療では、抜く衝動のトリガーを特定し、代替行動を学びます。経験豊富なセラピストを選ぶことが重要です。

主に用いられる薬は選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)で、プロザックやゾロフトなどがあります。効果は個人差が大きく、薬だけで改善しない場合もあります。多くの患者で、CBTとSSRIを組み合わせた治療が最も効果的と報告されています。

支援

根治は難しいものの、衝動をコントロールし日常生活を送ることは可能です。家族や友人、同じ悩みを持つ仲間からの支援が大きな助けになります。

地域のサポートグループやオンラインフォーラムに参加することで、情報共有や励ましを得られ、自己肯定感が高まり、抜く衝動が軽減されることがあります。

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