子どもの双極性障害(躁うつ病)の兆候と対処法

双極性障害(旧称:躁うつ病)は、感情、思考、身体的状態、行動が極端に変動する気分障害です。近年、5歳未満の子どもでも診断されるケースが増えており、早期の発見と適切な治療が重要です。

躁(マニア)状態

子どもが躁状態になると、異常なほどの高揚感や激しい興奮が見られます。過剰におしゃべりになったり、大声で話したり、睡眠や食事が極端に少なくなることがあります。このため、過活動・衝動的・注意散漫に見えることが多いです。重症例では、妄想や幻覚といった精神病的症状が現れることもあります。

うつ状態

うつエピソードでは、持続的な悲しみやイライラが続き、エネルギーが低下します。食欲減退、集中力低下、普段楽しんでいた活動への関心喪失が見られます。睡眠パターンは個人差があり、過度に眠くなる子もいれば、全く眠れない子もいます。無力感や絶望感、自己価値の低下を訴えることがあります。

急速循環(ラピッドサイクリング)

大人に比べ、子どもは気分が数時間から1日単位で急激に変化することがあります。1日で躁と鬱が交互に現れ、混合状態(躁と鬱が同時に出現)になることもあります。このため、イライラしやすいが、間があるときは落ち着いていて社交的に見えることがあります。

留意点

症状は乳児期に現れることもあり、睡眠リズムの乱れや分離不安、激しい怒りがみられます。幼児は激しい癇癪を起こすことが多いです。また、ADHD、反抗挑戦性障害(ODD)、トゥレット症候群、統合失調症などと併存するケースが多く、ADHDと診断された子どもが実は双極性障害である場合もあります。ADHD治療薬は躁状態や自殺念慮を誘発することがあるため、慎重な評価が必要です。

発症のきっかけ

多くの子どもは、家族の死や重大なトラウマを経験した後に初めて症状が顕在化します。ストレスや不安が増すとエピソードが誘発されやすく、思春期の女子は月経開始とともに初めて躁または鬱が現れることがあります。月経周期に応じて症状の重さが変動することも報告されています。

治療法

早期の診断と治療が安定した生活への鍵です。薬物療法では、リチウムなどのムードスタビライザーや、必要に応じて抗うつ薬(例:パキシル、ゾロフト)を使用します。心理療法は個別だけでなく、家族全体を対象としたものが推奨されます。支援グループへの参加は、同じ病気を持つ子どもや家族が情報共有や励まし合いを行う場として有効です。

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