セラピストが守るべき専門的境界

患者の機密保持

治療者と患者の関係は信頼が基盤です。そのため、治療者は患者から聞いた情報を、患者本人の明確な同意がない限り外部に漏らしてはなりません。機密保持が守られることで、患者は安心して心の内を語りやすくなり、治療効果が高まります。例外として、患者本人や他者が直ちに危険にさらされていると判断した場合のみ、法的義務に従って情報を開示することが認められます。

自己開示

治療者が自らの体験やエピソードを共有したくなることはありますが、過度な自己開示は避けるべきです。特に不安定な患者に対しては、住所や家族・友人の情報など具体的な個人情報を明かすことは危険です。共通点を見つけるための一般的な話題程度に留め、双方の安全とプライバシーを守りましょう。

関係の重複

治療者が意図的に患者と友人関係を築くことは望ましくありません。小さなコミュニティでは偶然の接触が起こり得ますが、治療者は専門的判断で適切な距離感を保つ必要があります。共通の友人がいるからといって、治療上の信頼や情報のやり取りが危うくなることは許容できません。状況が複雑な場合は、上司や倫理委員会に相談し、必要に応じて関係を見直す措置を取ります。

恋愛関係

治療者は決して患者とデートしたり、ロマンチックまたは性的関係を持ったりしてはいけません。治療者は権力的立場にあるため、こうした関係は権力の乱用とみなされます。過去に親密な関係があった相手から治療を受けることや、治療中・治療終了後に交際を始めることも倫理的に問題です。

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