アルコール乱用がもたらす精神的影響
アルコールは精神活性薬であり、過度に摂取すると脳に影響を及ぼし、様々な精神的障害を引き起こします。乱用、長期使用、急な禁断症状のいずれでも、以下のような症状が現れることがあります。
記憶障害
大量飲酒は「ブラックアウト」を引き起こし、短期記憶が長期記憶に転送されなくなるため、飲酒中の出来事を思い出せなくなります。ブラックアウトが起きなくても、酔った状態で形成された記憶は長期記憶として定着しにくく、断片的にしか残らないことがあります。
うつ病
アルコール依存者に最も多く見られる精神疾患はうつ病です。短期的・長期的な過度の飲酒はうつ症状を悪化させ、また、食欲不振や興味喪失といったアルコールの副作用自体がうつの症状と重なることがあります。うつ状態の人が「自己投薬」として飲酒を選ぶと、症状はさらに深刻化します。
幻覚
長期的にアルコールを乱用し、急に飲酒をやめると離脱症状が現れます。その一つが幻覚で、実際には存在しない音や映像が知覚されます。幻覚は不快感を伴い、痙攣などの身体症状と同時に起こることがあります。
せん妄(ジエレリウム・トレメンス)
せん妄は重度のアルコール離脱症状で、精神機能が急激に変化します。激しい不安、抑うつ、気分の変動、幻覚、激しい混乱が特徴で、医療機関での緊急対応が必要です。入院治療が一般的です。
気分の急変
アルコール乱用者は感情のコントロールが難しく、突如として激しい怒りや暴力的な行動に走ることがあります。一方で、急に悲しみや幸福感が高まることもあり、双極性障害に似た不安定な気分変動が見られます。
