牛乳の低温殺菌の目的と仕組み
アメリカでは毎月約4~5百万ポンド(約1800~2250トン)の牛乳が販売されており、牛乳は9種類もの主要栄養素を含む優れた食品です。このように広く流通できているのは、低温殺菌という加工が不可欠だからです。
牛乳の長期保存と品質向上
低温殺菌は、一定の温度で一定時間加熱する衛生処理です。この処理により、牛乳の保存期間が延び、出荷や販売が可能になります。低温殺菌により、牛乳は約1週間から2週間程度保存でき、腐敗を引き起こす細菌や酵素が減少します。
安全性の確保
保存期間の延長に加えて、低温殺菌の最も重要な目的は安全性です。殺菌されていない牛乳でも飲めますが、自然に含まれる細菌が人に害を及ぼす可能性があります。低温殺菌はこれらの有害菌を減らし、飲用に適した安全な状態にします。
低温殺菌の方式
現在の低温殺菌は大きく「連続方式」と「バッチ方式」の2種類に分かれます。連続方式はプレート式熱交換器を用い、短時間で高温に加熱する「高温短時間法(HTST)」が主流です。一方、バッチ方式は大きな加熱槽で加熱し、連続方式ほど均一に加熱できないため、処理時間が長くなります。
歴史的背景
低温殺菌の発明者はルイ・パスツールです。19世紀にビール醸造の際の糖分発酵問題を解決するために開発された技術が、後に牛乳にも応用され、現在の低温殺菌として確立されました。
