合金の機械的特性と主要指標
引張強さ (Tensile Strength)
合金が破断せずに耐えられる最大応力を引張強さという。単位は面積当たりの力で表す。永久変形が始まる最小応力は降伏強さと呼ばれる。非鉄系合金の中には明確な降伏点を示さないものもあり、例えばマグネシウム合金では、応力‑ひずみ曲線が0.2%のオフセット点から外れた点を降伏強さと定義する。
例として、チタン合金の降伏強さは約830 MPa、極限強さは約900 MPa。アルミニウム合金は降伏強さ414 MPa、極限強さ483 MPa。高強度鋼合金は降伏強さ690 MPa、極限強さ760 MPaである。
伸び (Elongation)
応力が加わったときに合金が伸びた長さの割合を伸びという。延性の高い金属で構成された合金ほど伸びが大きく、伸び率は合金の延性の指標になる。例えば、6061‑T6アルミニウム合金の伸びは約10%、赤真鍮(銅合金)は約35%である。
せん断強さ (Shear Strength)
せん断力が作用した際に、伸びや圧縮を伴わずに耐えられる最大応力をせん断強さという。アルミニウム合金のせん断強さは約83 MPa、マグネシウム合金は約140 MPaである。
硬さ (Hardness)
合金表面が摩耗に対して示す抵抗性を硬さという。合金は純金属に比べて脆さが減少し、硬さや耐食性が向上するよう設計される。特に炭素含有量が高い鉄系合金は、延性と靭性を兼ね備えた高い硬さを示す。
衝撃耐性 (Impact Resistance)
衝撃エネルギーに対して破壊されにくい性質を衝撃耐性という。数値は材料の組成や熱処理条件により大きく変化する。
耐久限度 (Endurance Limit)
一定の繰り返し応力下で、無限に使用できる最大応力を耐久限度という。設計上の安全係数を決める重要な指標である。
圧縮降伏強さ (Compressive Yield Strength)
圧縮荷重が加わったときに材料が降伏し始める最大応力を圧縮降伏強さという。
