膝関節全置換術後の痛みと対処法
手術時の痛み
全膝置換術は、変形性関節症による慢性的な膝の痛みを根本的に解消する手術です。手術中は麻酔により痛みは感じませんが、術後の疼痛は避けられません。
多くの整形外科医は脊髄ブロック(腰椎麻酔)を選択します。短時間作用型の麻酔薬を腰椎のくびれ部に注入し、患者は眠気を伴う覚醒状態で手術を受けます。
術後の痛み
手術後は、ヒドロコドンやオキシコドンなどのオピオイド系鎮痛剤を使用して痛みを管理します。適切に使用すれば回復が早まりますが、依存性や副作用(便秘、吐き気、嘔吐)に注意が必要です。
イブプロフェンなどの市販鎮痛剤を併用することで、副作用を軽減し、快適な回復が期待できます。
その他の痛みの原因
術後の通常の痛み以外にも、人工関節の摩耗やずれによる痛みが現れることがあります。これらは徐々に悪化し、動作時に強く、安静時に軽減します。
膝関節の感染は緊急事態で、赤み・腫れ・熱感を伴います。関節内に液体がたまり、安静でも症状が改善しません。
脱臼は鋭い痛みと関節の変形を引き起こします。
脱臼・変形による合併症
関節変形は血管・筋肉・神経を損傷し、下肢の血流が途絶えるとしびれや麻痺が生じます。また、動脈が圧迫されると疼痛・蒼白・冷感が現れます。
術後の安静期間に血栓ができやすく、腫れ・赤み・痛みが増すことがあります。血栓が肺に移動すると肺塞栓症という致命的な状態になります。
痛みや異常が現れたときの対処法
人工関節がずれているように感じたら、すぐに担当医に連絡してください。緊急ではありませんが、早期の対応が必要です。腫れや熱感、過剰な排液がある場合も同様です。
安静時に新たな痛みや腫れ、骨折・脱臼の疑い、感染を示す赤み・熱感、下肢の腫れ・赤み・痛み(深部静脈血栓のサイン)がある場合は、直ちに救急外来へ行ってください。
