全結腸切除術のリスクと合併症

手術の概要

全結腸切除術は、潰瘍性大腸炎、家族性腺腫性ポリポーシス、クローン病などの治療を目的に行われます。外科医は結腸を除去し直腸を残す部分結腸切除術(サブトータル結腸切除)または結腸と直腸の両方を除去する全腹式結腸切除術を選択します。手術後、小腸の末端部分である回腸を利用して回腸嚢(イルアルポーチ)を作り、直腸または肛門に接続します。この嚢は貯蔵庫として機能し、通常の排便習慣を取り戻すことを目的としています。

手術に伴うリスク

  • 心筋梗塞や稀に死亡など、手術全般に共通するリスクがあります。
  • 出血や下肢・肺の静脈血栓が生じる可能性があります。
  • 腸管吻合部の漏出(吻合部漏出)や、縫合部からの消化管液漏出(嚢瘻)があります。
  • 吻合部狭窄により排便が困難になることがあります。
  • 穿刺部位の感染リスクがあります。

脱水リスク

結腸は便から水分と塩分を吸収する主要な器官です。成人の結腸は1〜2リットルの液状便を処理し、最終的に直腸に残る液体は約120mlです。結腸が除去されると、水分と塩分の再吸収ができず、脱水や低ナトリウム血症のリスクが高まります。また、排便回数が増え、液状便が多くなる傾向があります。

回腸嚢に関するリスク

  • 吻合部漏出や嚢瘍に加えて、骨盤内感染(骨盤膿瘍)や嚢内膿瘍が起こることがあります。小児消化器学・栄養学ジャーナルによれば、これらは患者の5%〜20%で報告されています。
  • 回腸嚢の機能不全は約30%の患者で起こり、死亡率は3%です。
  • 便が固くなることで腸閉塞や腸管閉塞が起こるリスクもあります。

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