機能的内視鏡下副鼻腔手術(FESS)の合併症
機能的内視鏡下副鼻腔手術(FESS)とは
副鼻腔の問題の多くは薬物療法や抗生物質で改善できますが、感染や炎症が薬で治らない場合に外科手術が必要となります。FESS は内視鏡を用いて鼻腔と副鼻腔を直接観察し、最小限の侵襲で病変部位を除去する手術です。
手術の目的
FESS の主な目的は、狭く長い副鼻腔の通路を広く開くことです。副鼻腔粘膜の腫れや炎症が原因で通気が妨げられる場合に実施されます。
使用する内視鏡
硬性光学チューブ(内視鏡)を鼻腔に挿入し、外部切開なしで副鼻腔内部を観察します。これにより手術中の視野が確保され、正確な処置が可能となります。
一般的な合併症
- 出血:副鼻腔手術全般に伴うリスクですが、FESS は出血リスクを低減します。持続的な出血がある場合は手術を中止し、鼻腔パックで止血します。
- 上前歯の感覚障害:手術後一時的に上前歯がしびれることがあります。
- 手術失敗:アレルギー治療目的で行った場合、根本的な治癒は期待できず、症状が再発する可能性があります。
腫れ・打ち身
手術後5日間は鼻をかまないよう指導されます。鼻を強くかくと空気が皮下に入り、上唇や眼下に腫れや打ち身が生じることがあります。
脳脊髄液漏れ(脳周囲の液体)
稀に前頭洞へのアプローチで脳膜が損傷し、脳脊髄液が漏れることがあります。漏れが起きると感染リスクが高まり、髄膜炎や脳卒中、最悪の場合は死亡につながります。
眼と視力への影響
- 手術中に眼筋(特に内側直筋)や眼球自体が損傷することがあります。
- 眼筋損傷により複視が起こることがあります。
- まれに片眼の視力喪失が報告されており、回復の見込みは低いです。
