低侵襲手術技術
低侵襲手術は、大きな切開を必要とせずに手術を行う技術です。外科医は細長い器具(腹腔鏡)やロボットアームを小さな切開部から挿入し、モニター上の映像で手術部位を確認しながら操作します。これにより患者への身体的負担が軽減され、回復が早まります。
利点
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出血量が少なく、傷跡が小さくなるため痛みが軽減します。術後の鎮痛薬使用も減少し、早期退院や早期復帰が可能です。外来手術として実施できるケースも増えており、入院日数の短縮により医療費削減にも寄与します。
手法
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腹腔鏡手術では、光源とカメラを備えたファイバーオプティックシステムで手術部位を照らし、二酸化炭素で腹腔を膨らませて作業空間を確保します。外科医はグリッパーやはさみなどの器具を遠隔操作し、近年は視野拡大や手ブレ補正装置、さらにはコンソールから操作できる外科用ロボットが導入されています。
適応例
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心臓手術、結腸・直腸手術、消化器、婦人科、神経外科、整形外科、泌尿器、血管外科など幅広い分野で利用されています。最も一般的なのは胆嚢摘出術です。心臓弁手術や腫瘍切除など高度な手術も低侵襲で行われていますが、器具操作の難しさや視野の制限が課題となります。低侵襲手術を専門とする外科医は、基礎研修後に1〜2年のフェローシップで高度技術を習得します。
歴史
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低侵襲手術の起源は1900年代初頭にさかのぼり、ドレスデンの外科医ゲオルク・ケリングが犬に対して腹腔鏡を試みました。1910年にはスウェーデンのH.C.ジャコバウスがヒトで実施しています。その後、1970年代のチップカメラや光源技術の進歩により手術用内視鏡が実用化され、1980年代に米国のシナイ医科大学が標準手術手順とガイドラインを策定し、世界的に普及が進みました。
自然開口部手術(NOSES)
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近年注目されている自然開口部手術は、体表に切開を入れずに口・肛門・膣など自然の開口部から器具を挿入して手術を行う最小侵襲手術です。例えば、口から食道を通して胆嚢を摘出する手法があります。2007年にはインドの外科医が盲腸切除を実施し、以降世界各地で研究が進められています。デバイスメーカーも専用ツールの開発を加速させています。
