トリグリセリドを5で割って総コレステロールを算出する理由とは?

コレステロールとトリグリセリドの違い

血中に存在する脂質は大きく分けてコレステロールとトリグリセリドの2種類です。コレステロールは比較的安定した数値を示しますが、トリグリセリドは食事中の炭水化物や脂質の影響を受けやすく、変動しやすい特徴があります。

血中脂質の運搬形態

コレステロールとトリグリセリドはリポタンパク質に結合して血液中を運搬します。コレステロールはHDL(高密度リポタンパク質)、LDL(低密度リポタンパク質)、VLDL(超低密度リポタンパク質)に結合します。一方、トリグリセリドは食後にキロミクロンで運ばれ、長時間はVLDLに乗って循環します。したがって、VLDLは唯一、コレステロールとトリグリセリドの両方を運ぶリポタンパク質です。

直接測定できる項目

臨床検査では、総コレステロール(TC)、HDL、総トリグリセリド(TG)は直接測定します。LDLやVLDLは測定が難しいため、これらは他の数値から間接的に算出します。

間接計算の方法(フリードワールド式)

1972年、ウィリアム・フリードワールド医師が提唱した「フリードワールド方程式」は、以下のように総コレステロールを構成要素に分解します。

TC(既知) = LDL(既知) + HDL(既知) + VLDL(TG ÷ 5)

この式は現在でも広く使用されており、2008年時点でフリードワールド氏はコロンビア大学の公衆衛生学・医学の臨床教授でした。

なぜ「5」で割るのか

平均的なトリグリセリド濃度では、VLDL中のコレステロール量は総トリグリセリドの約1/5に相当します。そのため、TGを5で割ることでVLDLコレステロールを概算できるのです。

信頼性の限界

トリグリセリドが400 mg/dL を超える場合、TG ÷ 5 によるVLDL算出は正確性が低くなります。このため、コレステロール検査の前に絶食が求められることが多いです。絶食によりキロミロンが血中から除去され、残りのトリグリセリドは主にVLDLの形で測定できるようになります。

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