マインドフルネスとうつ病:再発防止に効くアプローチ
マインドフルネス(Mindfulness)
マインドフルネスは「今この瞬間」に注意を向け、過去の後悔や未来への不安にとらわれる思考の連鎖を止める技法です。注意と感情のパターンに気づくことで、うつ病患者は自動的に始まる反芻や自己批判を早期に検知し、エスカレートする前に対処できます。
認知行動療法(CBT)
認知行動療法は「思考が感情や行動を引き起こす」という前提に基づき、外的要因ではなく内部の思考パターンを変えることを目的とします。長年続くネガティブな認知を学び直すことで、うつ状態の根本的な原因にアプローチします。
マインドフルネスの実践方法
マインドフルネスを共同開発したジンデル・V・セガル博士は、8回のセッションで以下のエクササイズを指導します。
- 座位瞑想
- ヨガ的ストレッチ
- 深呼吸
- 歩行瞑想
安全で支援的な環境の中で行うことで、患者は「今」に意識を向け、絶望感や無力感が芽生える瞬間にそれを中断できるようになります。セッション間の宿題で学んだ技術を復習し、終了後も自宅で継続することが推奨されます。
マインドフルネス認知行動療法(MBCT)
MBCTでは、マインドフルネスを「タイムアウト」として用い、ネガティブな思考のループを止めた後にCBTの技法で原因を探ります。CBTはソクラテス式質問法を用い、患者自身が思考の歪みを認識し、合理的に再構築できるよう導きます。
研究結果と効果
2007年の研究(Psychology and Psychotherapy)では、MBCTを受けた患者は治療直後から1か月後までうつ症状が有意に改善し、学んだ技術を継続的に実践していることが報告されました。
2008年のScience Daily記事によると、エクゼター大学の15か月にわたる追跡調査で、MBCTを受けたグループは抗うつ薬のみのグループに比べ再発率が13%低く、生活の質(QOL)も向上していました。8週間で10〜12名の小グループに指導できるため、個別カウンセリングよりコスト効率が高いと評価されています。
