ホームレスと精神疾患:現状と支援策

数字

米国人口の約6%が重度の精神疾患を抱えているとされますが、全成人単身ホームレスの20〜25%が治療を受けていない精神疾患患者と推定されています。オハイオ州立大学の研究(1999年、Journal of Child and Adolescent Psychiatric Nursing)では、ホームレスの子どもの半数以上がうつ病と闘っていることが示されました。

障壁

精神疾患を抱えるホームレスは診断が遅れがちです。双極性障害(躁うつ病)は症状が進行すると統合失調症に似た症状を示すため、適切な診断が困難になります。さらに、就労や健康保険がないため、診断後の継続的な治療や薬剤・カウンセリング費用を賄うことがほぼ不可能です。家族や友人との関係が断たれることが多く、ピアサポートや「アカウンタビリティ」も欠如しています。

ホームレスが全ての人にとっての懸念

精神障害を抱えるホームレスは薬物乱用に走りやすく、薬物使用はホームレス状態をさらに悪化させます。また、エイズ、肺炎、結核などの感染症はホームレスコミュニティ内だけでなく、広範囲に拡散するリスクがあります。

2006年の全米メンタルヘルス協会の調査では、支援付き住宅(サポートハウジング)が精神疾患を持つホームレスの自立に効果的であることが示されました。支援付き住宅は住居提供だけでなく、メンタルヘルス治療、身体医療、教育・就労支援、生活技能・金銭管理訓練、ピアサポートを包括的に行います。

2009年2月に成立した米国復興・再投資法(ARRA)でも資金は拡充されましたが、依然として十分とは言えません。

問題への対策

住宅資金の増額に加えて、メンタルヘルス治療の充実が必要です。2008年の米国市長会議の調査では、20%の都市が「メンタルヘルスサービスとの連携強化」を最重要課題の一つに挙げています。継続的な関係構築ができるアウトリーチが効果的であり、薬物治療の充実も求められています。

2007年に提案された「ホームレス回復支援法(HART)」は、精神疾患・薬物依存のあるホームレスに包括的な治療と支援を提供することを目的としています。法案は成立に至りませんでしたが、今後の再提出が期待されています。

あなたができること

政府の資金提供だけでなく、一般市民のボランティア活動が重要です。以下のような活動に参加できます。

  • 全国ホームレス連合(NCH)でコミュニティオーガナイザーとしてボランティア
  • ホームレスの有権者登録運動
  • 全国ホームレス市民権組織プロジェクト(NHC)への参加
  • 政策ワーキンググループやスピーカーズビューローへの参加
  • 地域や州のホームレス・住宅連合への参加

将来のホームレス

ホームレス率を算出する際、現在の「ホームレス」だけでなく、将来的にホームレスになるリスクのある人々も考慮すべきです。うつ病や他の精神障害を抱える人は、そうでない人に比べてホームレスになる確率が高く、カリフォルニア州の調査では、精神疾患を持つ人の15%が1年以内に少なくとも一度はホームレスになると報告されています。ホームレスになる過程は、未治療の精神障害、就労歴の欠如、経済的困窮が数年にわたって積み重なる結果です。

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