うつ病の認知的アプローチと主要概念
認知的説明は、うつ病を単なる感情の結果と見るのではなく、本人の思考・態度・信念が原因であると位置付けます。アーロン・ベックやアルバート・エリスら認知理論家は、自己・未来・世界に対する否定的な信念がうつ病を引き起こすと主張しています。
歴史的背景
1950年代半ば、心理学者アルバート・エリスは「合理情動行動療法(REBT)」を提唱し、感情障害は非合理的・自己破壊的な信念に起因すると指摘しました。エリスの影響を受けたアーロン・ベックは、うつ病に対する認知行動理論を体系化し、認知療法の革命をさらに推進しました。
非合理的な考えと信念
エリスは、誤った前提に基づく非合理的信念が多くの心理的問題を引き起こすと考えました。うつ病患者は、例えば「誰かに嫌われている」と感じたときに「自分の価値は全員に好かれるかどうかで決まる」という誤った前提に基づき、過度な悲しみを抱くことがあります。
自動思考
自動思考とは、日常の出来事に対して瞬間的に浮かぶ反復的な思考やイメージです。これらがネガティブであると、否定的な感情が増幅し、うつ状態へとつながります。
自己評価
私たちは常に自己を評価していますが、過度に否定的な自己評価は自己蔑視的な思考のスパイラルを生み、うつ病を長期化させます。
カタストロフィ化(最悪予測)
カタストロフィ化は、最悪のシナリオを予測する傾向です。うつ病患者は将来に対して最悪を想定しがちで、その想像だけで気分が低下し、実際に結果が起きなくても影響を受けます。
認知の歪み
認知理論では、うつ病患者は出来事の認知や記憶に歪みが生じ、ネガティブな側面に過度に注意を向けるとされています。この認知バイアスがうつ状態を深め、維持させます。
