胆石性イレウスの治療法は?
胆石性イレウスは、胆石が腸管(主に回腸)に移動し、腸閉塞を起こす稀な合併症です。胆石は直径約2.5cmほどの大きさで、主に高血圧や糖尿病などの基礎疾患を抱える高齢者に多く見られ、女性にやや多い傾向があります。診断が遅れやすく、死亡率・罹患率が高いのが特徴です。
症状
- 間欠性の腹痛(疝痛)が最初に現れ、続いて嘔吐が起こります。胆石が腸内で移動すると症状が一時的に緩和しますが、再び大きな石が腸に詰まると症状が再燃します。
- 腹部膨満感、脱水、軽度の圧痛が伴うことがあります。
診断
- 腹部X線検査:腸閉塞の有無や胆石、胆道内のガス像を確認できます。
- 超音波検査・CT検査:X線だけでは不十分な場合に併用し、胆道瘻や胆石の位置・大きさを詳細に評価します。
治療手順
診断が確定したら、胆石による閉塞を外科的に除去します。患者の全身状態やリスクに応じて、以下のような手術法が選択されます。
単期手術(1段階法)
- 腸石除去術(Enterolithotomy)+胆嚢摘出術(Cholecystectomy)+胆道瘻の修復を同時に行います。
- 全身状態が比較的安定している患者に適しています。
二期手術(2段階法)
- まず腸石除去術のみを実施し、患者が回復した後に胆嚢摘出術や瘻孔閉鎖を行います。
- 高リスク患者や手術時間を短縮したい場合に推奨されます。
腸石除去術(Enterolithotomy)
- 腸管の縦方向切開で閉塞した胆石を取り除く比較的シンプルな手術です。
- 手術時間が短く、特に高齢・高リスク患者に適しています。
胆嚢摘出術(Cholecystectomy)
- 胆石の根本的な原因を除去するために胆嚢を外科的に除去します。
- 近年の腹腔鏡手術の進歩により、へそ周囲の小さな切開で実施可能です。
瘻孔閉鎖(Fistula Closure)
- 胆石が原因で形成された胆道瘻は、二期手術の第2ステージで修復・閉鎖します。
- 瘻孔が残ると再発リスクが高まるため、確実に閉鎖することが重要です。
胆石性イレウスは早期発見と適切な手術選択が予後改善の鍵です。患者の全身状態や合併症の有無を総合的に評価し、最適な治療法を選択してください。
