D&C(拡張掻爬術)の目的と概要

D&C(拡張掻爬術)は、子宮を拡張し、匙状の器具(キュレット)で子宮内膜を掻き出す外科手術です。Mayo Clinicによれば、子宮の疾患の診断や治療に用いられます。

手順

この手術は外来で行われ、診療所・クリニック・病院のいずれでも実施可能です。患者の既往歴や手術目的に応じて、以下のいずれかの麻酔が選択されます。

  • 全身麻酔:マスクまたは静脈内投与で行う。
  • 脊椎・硬膜外麻酔:脊髄周囲に注射する。
  • 局所麻酔:子宮頸部周囲に直接注射し、必要に応じて静脈内鎮静薬を併用。

子宮頸部が十分に拡張された後、医師がキュレットで組織を除去します。手術時間は約15〜30分です。

診断目的

診断用D&Cは、以下のような異常出血や症状の原因を調べるために実施されます。

  • 月経痛や不正出血、閉経後出血。
  • 子宮ポリープや子宮がん、子宮内膜過形成(内膜肥厚)などの疑い。
  • 子宮頸部の細胞診で異常な子宮内膜細胞が見つかった場合。

治療目的

治療用D&Cは子宮内の内容物を除去し、次のような疾患に対して行われます。

  • 良性の子宮筋腫や子宮・頸部ポリープの除去。
  • 胎盤が異常に増殖した胞状妊娠(モラ胎盤)の除去。
  • 分娩後の残留胎盤や、流産・人工妊娠中絶後の残存組織の除去。

補助的使用

D&Cは、子宮鏡検査(ヒステロスコピー)と併用されることが多いです。ヒステロスコピーはカメラと光源を備えた細長い器具で子宮内を直接観察し、異常組織のサンプルを採取します。D&Cと組み合わせることで、子宮がんなどの重篤な病変を除外できます。

使用が限定されるケース

約10年前まで一般的だったD&Cは、近年では超音波やヒステロスコピーといった非侵襲的診断法や、ホルモン療法・抗ホルモン療法の進歩により、適応が減少しています(eMedicine参照)。

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