ベトナム戦争におけるエージェントオレンジの影響と副作用
使用目的
1940年代に開発され、ベトナム戦争で最も多く使用された除草剤「エージェントオレンジ」は、米国の「レインボー除草剤」計画の一部でした。ジャングルの木々を枯らし、ベトコンの隠れ場所を奪うと同時に、食料作物の破壊、基地周辺の除染、民間人の移動を促す化学戦争の手段として利用されました。
被曝状況
ベトナム側の報告によれば、約480万人がエージェントオレンジに曝露され、推定40万人が死亡、さらに50万人の子どもが出生時の異常を持ちました。被曝はベトナム人だけでなく、米軍兵士やカナダ軍兵士(1960年代後半にニューブランズウィック州ガジェトウン基地で試験)にも及びました。
ベトナムへの影響
エージェントオレンジに曝露したベトナム人が報告している主な健康被害は以下の通りです。
- 皮膚疾患、がん、失明、麻痺、筋肉・骨格障害、著しい体力低下
- 出生時の奇形(多指・多趾、口蓋裂、ヘルニア、精神障害など)
ベトナム戦争退役軍人への影響
米国退役軍人省は、エージェントオレンジ曝露と関連する疾病として以下を認定しています。
- 急性・亜急性一過性末梢神経障害、ALアミロイドーシス、クロラシーネ、慢性リンパ性白血病、2型糖尿病、ホジキン病、多発性骨髄腫、非ホジキンリンパ腫、皮膚類円形紅斑症、前立腺がん、呼吸器がん、軟部組織肉腫(特定の骨肉腫除く)
- 子どもにおける出生異常(主に二分脊椎)が報告されています。
補償制度
米国退役軍人省は、ベトナム戦争中にエージェントオレンジに曝露したすべての退役軍人に医療給付を行い、障害が認められる場合は月額障害補償金を支給しています。退役軍人の子どもで特定の出生異常(例:二分脊椎)がある場合も対象です。2009年3月時点で、米軍退役軍人への総補償金は1億8000万ドル、医療費は数十億ドルに上ります。
カナダ兵士には、オタワ州から各20,000カナダドルの補償が支払われました。
ベトナム側は、米国からの援助金として2009年春に300万ドルを受け取り、医療・補償・残留除草剤の除染に充てていますが、さらなる補償を求め続けています。
