骨粗鬆症の影響と合併症
骨粗鬆症の正確な原因は未解明ですが、病態の進行は理解されています。骨は成長し続ける生体組織で、外側は密度の高い皮質骨、内部は多孔質の海綿骨で構成されています。骨粗鬆症になると、海綿骨の小さな空洞が拡大・増加し、骨全体の強度が低下します。
驼背(キューフォシス)
進行した骨粗鬆症の最も深刻な合併症の一つは、背骨の圧迫骨折による「ドウェイジャーハンプ(驼背)」です。脆くなった椎体がわずかな屈みでも折れ、前方にくさび状に崩壊すると、背中が前に傾き、背中に顕著な隆起が生じます。この姿勢異常はさらなる骨折リスクを高め、結果的に脊椎全体が歪んでしまいます。
その他の骨折タイプ
- くさび骨折:椎体前部が崩壊。
- 中枢骨折(ビオンキャブ骨折):椎体の中部が潰れる。
- 全体圧迫骨折(クラッシュ骨折):椎体全体がつぶれる。
永続的な障害
骨粗鬆症は全身の骨に骨折を起こしやすく、特に股関節、脊椎、手首に多く見られます。重度の場合、歩行や日常生活が制限され、永続的な障害につながります。また、背部の激しい痛みや身長の減少も報告されています。
沈黙の病
脊椎骨折は自覚症状が乏しいことが多く、知らないうちに進行します。前方や腹部に放散する痛み、くしゃみや咳で悪化する痛み、横になると楽になるといった症状が見られます。食欲不振や満腹感を感じることも骨折のサインです。
閉経とエストロゲン欠乏
閉経に伴いエストロゲンが減少すると、骨の保護機能が失われ骨密度が急激に低下します。ホルモン補充療法(HRT)は予防に有効ですが、乳がんや心血管疾患のリスク増加が懸念されます。代替策として、1日あたり1200〜1500 mgのカルシウムと800 IUのビタミンDの摂取が推奨されています。
