膝蓋骨疼痛症候群(パテラ・フェモラル痛症候群)
概要
膝蓋骨疼痛症候群(パテラ・フェモラル痛症候群)は、膝蓋骨(膝の皿)の下や周囲に慢性的な痛みが生じる一般的な膝の障害です。ランニングやジャンプなど、膝に繰り返し負荷がかかる激しい運動が主な原因とされますが、下肢の筋力低下や筋バランスの乱れ、膝蓋骨の位置異常、軟骨損傷、外傷などでも起こります。
症状
膝蓋骨の下や周辺に痛み、腫れ、鈍痛を感じます。走行・ジャンプなど膝に圧がかかる運動時に悪化し、階段の上り下りや長時間座った後の立ち上がりでも痛むことがあります。膝蓋骨がずれている感覚や、骨と擦れるような違和感を訴えることもあります。
影響
放置すると痛みが慢性化し、日常生活やスポーツ活動が制限されます。痛み止めだけで対処しても根本原因は解決せず、他の筋肉や関節に過剰な負担がかかり、二次的な怪我につながる恐れがあります。
診断
医師に痛みの部位や悪化する動作、日常の運動量や既往歴を詳しく伝えます。診察では膝の安定性や下肢筋力、可動域を評価し、必要に応じてレントゲンやMRIで画像診断を行います。
治療と予防
初期は自宅でRICE法(Rest・Ice・Compression・Elevation)を実践します。
Rest:痛みを誘発する運動を中止する。
Ice:1回20分程度、1日数回氷で冷やす。
Compression:弾性包帯で軽く圧迫し腫れを抑える。
Elevation:膝を心臓より高く保ち、腫れを軽減する。
イブプロフェンやナプロキセンなどの非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)で炎症と痛みを和らげます。
医師の指示により、膝蓋骨の安定化を目的とした自宅エクササイズや理学療法を行います。インソールの使用で膝への負荷を軽減することもあります。理学療法は筋力と柔軟性を向上させ、再発防止に役立ちます。活動再開時は段階的に負荷を増やし、適切なウォームアップ・クールダウン・ストレッチを取り入れるよう指導されます。
重症例では軟骨の除去や膝蓋骨の再配置手術が検討されますが、ほとんどは薬物療法と理学療法で改善します。
