貧困レベルと食生活

健康格差

ワシントン大学の2003年の研究(American Journal of Clinical Nutrition)によると、教育や所得の格差は健康格差と密接に関係しています。肥満や糖尿病は、貧困率が高く教育水準が低い集団でより多く見られます。Rudd Center for Food Policy & Obesity の報告でも、経済的に厳しい地域ほど不健康な食事、肥満、様々な疾患に陥りやすいことが指摘されています。米国全体で果物・野菜・全粒穀物の摂取は不足しており、特に低所得地域ではさらに摂取量が低い傾向があります。

研究結果

イェール大学の研究者は、貧困率が高い地域では健康的な食品の入手が難しく、また販売されている農産物の質も低いことを明らかにしました。低所得者は健康食品を購入しようとしても、選択肢が限られているため大きな障壁に直面しています。2010年のAmerican Journal of Epidemiology の研究では、食料や運動施設へのアクセスが異なる地域間で肥満率に大きな差があることが報告されています。

相反する証拠

NIH‑AARP の食事と健康に関する大規模調査(対象56.5万人の中高年・高齢者)では、低所得地域に住む人々の死亡リスクが高いことが示されました。しかし、喫煙、食事、運動、医療リスクなどの生活要因を統計的に調整しても、死亡率の上昇は依然として残りました。最も貧困な地域に住む人は、食事要因に関わらず死亡リスクが22%高くなると報告されています。

ファストフードの影響

低所得地域にはファストフード店が多く出店しています。カリフォルニア大学とコロンビア大学の共同研究(2009年)では、学校から0.16km(1/10マイル)以内にファストフード店があると、肥満率が最低でも5.2%上昇すると指摘されています。また、2003年のPediatrics誌の研究によると、米国の4歳から19歳の子どもの約3割が毎日ファストフードを利用しており、肥満リスクが高まっています。

予防と解決策

ワシントン大学の研究者は、低所得コミュニティにおいてはカロリー密度が高く、量が少なくても満足できる安価なエネルギー源へのシフトが必要だと提案しています。加えて、スーパーマーケットのアクセス向上や新鮮な果物・野菜・全粒穀物の供給を確保することが、肥満予防と健康改善に不可欠です。

栄養 - 関連記事