モリブデンの供給源と役割
モリブデンは地球上の多くの生命にとって必須の微量元素です。日常の食事から摂取するのが主な供給源であり、炭素・窒素・硫黄の循環に関わる酵素の補因子としても重要です。また、工業分野では鋼や鋳鉄、超合金の強度・靭性・耐摩耗・耐食性を向上させる合金元素として利用されています。
肉類からの供給源
- 豚・羊・牛の肝臓はモリブデン含有量が最も高く、主要な食事供給源です。
- その他の動物性食品は概ねモリブデンが少量です。
卵・穀物・野菜・果物などの供給源
- 豆類(大豆、レンズ豆、エンドウなど)はモリブデンが豊富です。
- 卵、穀物、ひまわりの種、ナッツ類も良い供給源です。
- 果物や多くの非豆類野菜は一般にモリブデンが少ないです。
- 植物中のモリブデン量は、栽培された土壌中のモリブデン濃度や環境条件に左右されます。
サプリメント
- 栄養補助食品は主にモリブデン酸ナトリウムまたはモリブデン酸アンモニウムの形で含有しています。
- マルチビタミン・マルチミネラル製剤が食事中のモリブデン不足を完全に補えるかは明確ではありません。
食事による欠乏
- 土壌中にモリブデンが乏しい地域では、食事性欠乏が起こりやすくなります。
- モリブデンが不足すると、植物は硝酸塩をアミノ酸ではなく発がん性のニトロソアミンに変換し、これが食道・胃がんの高罹患率に関与すると考えられています。
過剰摂取
- 過剰なモリブデン摂取は、牛、ヤギ、羊、シカなどの草食動物において銅欠乏を引き起こすことがあります。
- 人間の食事での過剰モリブデンは、重大な健康問題をもたらす証拠はほとんどありません。
工業利用の供給源
- 工業用モリブデンは主にモリブデン鉱石(モリブデナイト)から抽出されます。
- また、銅やタングステンの採掘過程で副産物として得られることもあります。
