栄養と卵巣がん
卵巣がんについて
卵巣がんは女性のがんの中で5番目に多く、最も致死率が高い生殖系がんです。発症原因は完全には解明されていませんが、出産回数や出産時期、年齢、BRCA1・BRCA2遺伝子の有無、乳がんや卵巣がんの家族歴・既往歴などがリスク要因とされています。
症状は他の疾患と似通っているため、早期に診断されにくいことが多いです。主な症状は膣出血・月経異常、消化不良、原因不明の背部痛などです。診断は手術が中心で、治療は放射線療法や化学療法が主に行われます。
栄養の重要性
放射線療法や化学療法は体内のビタミン・ミネラルを奪い、回復を妨げます。また、吐き気、下痢、口内炎、食欲不振(アノレキシア)といった副作用により食事が困難になることがあります。栄養不足は感染症リスクや筋力低下を招き、治癒を遅らせます。米国国立がん研究所によると、がん死亡の5人に1人は栄養不良が関与しています。
栄養指針
卵巣がん患者はカロリーとタンパク質の十分な摂取が必要です。高カロリーなミルクシェイク、チーズ、クラッカー、マフィンなどが例として挙げられます。また、抗酸化物質を多く含む食品も重要で、細胞を活性酸素から守ります。
国立がん研究所は以下を推奨しています。
- 全粒穀物、果物、野菜の摂取を増やす。
- 総カロリーの30%未満に脂質を抑える。
- 加工肉・燻製・漬物の摂取を控える。
- アルコールは節度を持つか、完全に控える。
- 適正体重を維持する。
- 必要に応じてビタミンC・E、セレン、βカロテンなどのサプリメントを摂取し、免疫力を高め副作用を軽減する。
食品のポイント
全粒穀物、果物、野菜にはがん再発予防に役立つフィトケミカルが含まれます。特に、カリフラワー、ケール、ブロッコリー、キャベツなどの十字花科野菜は豊富です。オレンジやグレープフルーツなどの柑橘類も重要です。食物繊維は1日25〜35gを目安に、麦、オート麦、大麦、ライ麦などから摂取しましょう。
食事の工夫
放射線療法は味覚にも影響し、食べ物が苦味や金属味を帯びることがあります。対策としては、食前に水で口をすすぐ、金属製の食器をプラスチックに変える、肉料理にリンゴソースやジャムなど甘味を加える、無糖ガムやミントタブレットで苦味を抑える、といった方法があります。柑橘類は苦味を和らげますが、口内炎がある場合は避けてください。亜鉛硫酸塩の錠剤も味覚回復に有効です。
