網膜に最適なビタミンはどれ?
ビタミンAの研究
ビタミンAは抗酸化ビタミンで、網膜色素変性症(レチナイト・ピグメント症)患者の進行を遅らせる効果が報告されています。米国国立眼研究所がまとめたデータによると、1993 年の臨床試験で 15,000 IU のビタミンAを投与した群は、投与しなかった群に比べて網膜の変性速度が遅くなったとされています。ビタミンAはレチナイト・ピグメント症のリスクがある人や、一般的な網膜の健康維持に有用です。
夜間視力
リヌス・ポーリング研究所の報告によれば、ビタミンA(レチノール)は夜間視力に不可欠です。レチノールは網膜に運ばれ、レチニルエステルに変換されて貯蔵されます。暗所ではロドプシンという光受容体に変換され、微弱な光を検出できるようになります。ビタミンAが不足すると夜盲症が起こり、暗闇での視力が低下します。
ビタミンA欠乏症
ビタミンA欠乏の初期症状は夜間視力の低下です。また、ビタミンAが不足すると角膜や結膜に角化症状(ビト斑)が現れ、ドライアイが悪化します。放置すると角膜潰瘍や瘢痕化、失明に至ることがあります。
抗酸化物質と亜鉛
加齢黄斑変性(AMD)は網膜中心部を侵す疾患ですが、米国国立眼研究所が実施した臨床試験では、ビタミンC、ビタミンE、ベータカロテン、亜鉛の高用量組み合わせがリスクを低減させることが示されました。特に、片目だけ視力低下が起きている患者では、他眼の視力低下リスクが約19%減少しました。ただし、AMDがまだ発症していない、もしくは初期段階の人には効果が確認されていません。
摂取時の注意点
ビタミンA(レチノール)の効果は亜鉛の状態に左右されます。亜鉛が不足していると、ビタミンAを網膜へ運ぶタンパク質の産生が減少し、肝臓に貯蔵されたレチノールが放出されにくくなります。その結果、ビタミンAの有効利用が阻害され、網膜の健康に影響を与える可能性があります。ビタミンAと亜鉛はバランスよく摂取することが重要です。
