ビタミンKの役割と重要性
ビタミンCが免疫力強化や壊血病予防に重要であることは広く知られていますが、ビタミンKは同様に重要でありながら見過ごされがちです。血液凝固や骨の健康、心血管系の保護など、体内で多くの重要な機能を担っています。
歴史
1930年、デンマークの科学者ヘンリック・ダムは、コレステロールを含まない鶏の飼料を研究している際にビタミンKを発見しました。鶏の食事からビタミンKを除去した結果、出血死に至り、純粋なコレステロールだけでは回復しませんでした。このことから、血液凝固に不可欠な物質がビタミンKであることが明らかになりました。
機能
ビタミンKは血液凝固に必須であり、骨の成長・修復を助け、骨密度を高めることで骨粗鬆症の予防に寄与します。また、アルツハイマー病のリスク低減や、動脈硬化防止、抗がん効果(特に肺がん細胞の増殖抑制)が報告されています。さらに、ビタミンK不足は血糖コントロール不全や糖尿病様症状を引き起こす可能性があります。
種類
ビタミンKは大きく3種類に分けられます。天然由来のビタミンK1(フィロキノン)は植物に含まれ、ビタミンK2(メナキノン)は腸内の善玉菌が産生します。合成ビタミンK3(メナジオン)は工業的に製造されます。
摂取上の留意点
成人の推奨摂取量は75〜120 µgです。天然のビタミンK(K1・K2)は過剰摂取による毒性はほとんどありませんが、合成のK3は高用量で毒性があるため注意が必要です。ビタミンKは脂溶性で体脂肪に蓄積されます。クローン病、潰瘍性大腸炎、セリアック病などの消化器疾患を抱える人は吸収が低下しやすく、追加摂取が推奨されます。また、アルコール、抗生物質、アスピリンはビタミンKの欠乏を招く要因です。心疾患や骨粗鬆症のリスクがある人は摂取量を増やすと効果的です。
主な供給源
米国農務省のデータによれば、ビタミンKが豊富なのはケール、カラード、ほうれん草、かぶの葉、カラシ菜、芽キャベツ、ブロッコリー、玉ねぎなどの葉野菜です。ブルーベリー、プラム、黒目豆、レンズ豆にも多く含まれます。ビタミンKは脂肪と一緒に摂ると吸収が良くなるため、オリーブオイルやバターと合わせて調理すると効果的です。
