医療費貯蓄プログラムの基礎知識

医療費の負担が増える中、保険料を抑えるために高額自己負担額(HDHP)プランが注目されています。税制優遇のある医療費貯蓄口座(HSA)とフレキシブル支出口座(FSA)は、医療費を前もって積み立てる仕組みです。本稿では、FSAとHSAの特徴と違い、利用時のポイントを解説します。

フレキシブル支出口座(FSA)

FSAは雇用主が提供し、医療費(自己負担額やコペイなど)に使える資金を給与から天引きで積み立てます。年間拠出上限があり、加入は保険のオープンエンロール期間に限られます。家族構成の変化(結婚・離婚など)があれば、期間中でも変更可能です。

「使わなければ失う」ルール

FSAの残高はプラン年度の末までに使い切る必要があります。使い残しがある場合、雇用主がその金額を没収できます。ただし、プラン年度開始直後に、年間拠出総額までの金額を一括で払い戻し請求できる場合があります。例として、週$50を拠出すれば年間$2,600となり、年度開始翌日に全額請求が可能です。

医療費貯蓄口座(HSA)

HSAは高額自己負担額健康保険(HDHP)と併用できる口座で、税引き前の給与で資金を積み立て、医療費の支払いに利用します。支払いはチェック、デビットカード、または領収書の提出による払い戻しで行えます。2023年の拠出上限は個人で$3,850、家族で$7,750(※金額は年度により変動)です。

長期的な資産形成が可能

FSAと異なり、HSAは「使わなければ失う」規定がありません。未使用分は翌年以降も口座に残り、投資商品(投資信託、株式など)で運用できます。60歳以降は通常のIRAと同様に扱われ、目的に関係なく引き出しが可能です(税金のみ)。60歳未満で医療以外の目的に引き出すと、10%の罰金と税金が課せられます(2023年基準)。

これらの制度を上手に活用すれば、医療費負担を軽減しつつ、将来の資産形成にもつなげることができます。

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