不安障害における生物学的要因
不安障害は、生物学的、心理的、社会的要因が複合的に関与し、ほとんどのケースで遺伝的関連が認められます。ここでは主要な不安障害ごとに報告されている生物学的所見を整理し、最新の研究結果を踏まえて解説します。
パニック障害における生物学的所見
- 慢性的な過換気に伴う血液化学の変化が見られることがあります。
- 甲状腺機能異常や僧帽弁逸脱(良性の心臓疾患)の有病率が高いという報告があります。
恐怖症の生物学的特徴
- 血液恐怖(血液恐怖症)では、血圧が上昇した後に急激に低下し、失神に至ることがあります。
- その他の恐怖症は、恐怖対象に曝露された際に血圧上昇が主に観察されます。
社交不安障害に関する生物学的要因
- パニック障害ほど化学的に誘発される発作に対する感受性は低いとされています。
- 他者からの否定的評価を敏感に察知する遺伝的素因が関与している可能性があります。
強迫性障害(OCD)の生物学的側面
- 不安に対する反応として特定の行動(儀式)を繰り返すことが観察されます。
- 儀式実施前後の不安レベルの変化は実験室で測定可能で、行動が不安緩和に寄与していることが示されています。
外傷後ストレス障害(PTSD)の生物学的所見
- PTSD患者は、実験室での生理的覚醒指標(心拍数、皮膚電位など)が持続的に高い状態にあります。
全般性不安障害(GAD)の生物学的要因
- 遺伝的要因が一部関与していますが、パニック障害ほど強い相関は示されていません。
