全般性不安障害(GAD)の歴史と最新研究
全般性不安障害(GAD)の区別
1980年、米国精神医学会は不安神経症を「全般性不安障害(GAD)」と「パニック障害」に分けました。GADは長期間にわたる慢性的な不安で、パニック障害は突発的な発作的不安です。フロイトは1900年代初頭に「漂う不安」を指摘していますが、GADの歴史に関する情報は限られています。
症状基準
GADの症状は比較的軽度で、緊張、落ち着きのなさ、イライラ、頭痛、吐き気、疲労、不眠、震えなどが挙げられます。また、恐怖症やうつ病、強迫性障害と併存することが多いです。
診断には、制御が難しい過度の心配が6か月以上続き、日常生活に支障をきたすことが必要です。GADはパニック障害よりも長期にわたり、発症年齢が早く、治療反応が低い傾向があります。10歳頃から不安症状を訴える患者も少なくありません。
原因
単一の原因はなく、遺伝的要因、脳内化学物質の異常、環境的ストレスが組み合わさって発症すると考えられています。家族内での遺伝が示唆され、神経伝達物質のバランス異常とも関連があります。虐待や愛する人の死、離婚、転職・転校などのトラウマも引き金になることがあります。
性別の影響
過去30年間の研究では、女性の診断率が男性の約2倍と報告されています。1994年の全国併存症調査(NCS)では、主に女性の主婦や失業者にGADの有病率が高いことが示されました。
今後の研究課題
GADに関する知見はまだ拡大途中です。治療効果に関する決定的な研究は少なく、1980年以前のデータはGADとパニック障害を区別できなかったため、追跡研究が困難です。
1980年に実施された1年追跡の環境捕捉領域(ECA)研究では、GADの回復率は56%と報告されていますが、併存障害は考慮されていません。現在もGADとパニック障害の区別や長期経過の解明が進められています。
