標準EMDRプロトコルの概要と実施手順

EMDR(Eye Movement Desensitization and Reprocessing)は、訓練を受けたメンタルヘルス専門家が行う個別心理療法です。眼球運動を繰り返すことで、クライアントは過去のトラウマ体験を解放し、肯定的な思考へと置き換えることができます。信頼関係を築くために約3回のセッションを行い、その後不安障害、PTSD、依存症などの治療にEMDRを適用します。フランシーヌ・シャピロの著書『EMDR―不安・ストレス・トラウマを克服する画期的な眼球運動療法』によれば、オクラホマシティ爆破事件後にも本プロトコルが用いられ、良好な結果が報告されています。

1. 治療計画の策定

臨床医はクライアントの医療歴・家族歴をもとに治療計画を作成し、セッションの流れや安全手順を説明します。また、クライアントが心の中で「安全な場所」をイメージできるよう指導します。

2. アセスメント(評価)

クライアントは取り組むべき嫌な体験を選び、臨床医と共にその体験を詳細に評価します。思考・感情・信念、頭に浮かぶイメージや身体感覚を言語化し、記録します。

3. ディセンシタイゼーション(感情の脱感作)

選択した体験に対し、クライアントが抱く否定的な感情や身体感覚を取り除く作業です。臨床医は眼球運動を用いて、不要な感情を徐々に減衰させます。

4. 肯定的思考のインストール

0〜10の尺度で感情や信念を評価し、残存するネガティブな要素を処理(プロセッシング)します。処理が完了したら、クライアントは対象体験に対して肯定的な信念や思考を形成します。

5. ボディスキャン(身体チェック)

対象体験を保持したまま、クライアントは全身を意識的にスキャンし、違和感やブロックを報告します。臨床医は短い眼球運動セットで身体全体の快適感を回復させます。

6. クロージャー(セッションの締めくくり)

治癒はセッション後数日から数週間続くことがあります。クライアントは不快な思考、気づき、鮮明な夢、強い感情などを記録し、次回セッションで共有します。緊急時は直ちに臨床医へ連絡します。

7. 再評価

最終セッションでは、クライアントが記録した夢・感情・気づきなどをもとに、対象体験と現在の課題・将来の懸念について臨床医と評価・検討します。

EMDRは多様な感情課題に有効です。

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