メラトニンが気分に及ぼす影響

多くの人が経験する「朝の機嫌が悪い」状態は、実は脳の松果体から分泌されるホルモン、メラトニンと関係があるかもしれません。メラトニンは睡眠リズムを整えるだけでなく、気分や感情にも大きく影響します。

歴史

1958年、皮膚科医のアーロン・B・ラーナー博士が、牛の松果体から現在のメラトニンを単離しました。彼は、メラトニンが脳内の神経伝達物質であるセロトニンから合成されることを明らかにしました。セロトニンは消化管にも存在し、情動や食欲など中枢神経系のさまざまな機能を調節します。

さらにラーナー博士は、光とメラトニン濃度の関係を発見し、夜間にメラトニンが上昇し、昼間に低下するという日内リズムを示しました。

機能

メラトニンの主な役割は、睡眠パターンと体温の調節です。出生後約3か月で分泌が始まり、子供の頃に増加し、思春期にピークを迎えます。その後は加齢とともに徐々に減少し、睡眠障害が現れやすくなります。

重要性

血中メラトニン量は気分に強く影響します。うつ病患者はしばしばメラトニンが低下しており、メラトニンの減少は睡眠不足を招き、季節性情動障害(SAD)などの気分障害を悪化させます。

サプリメント

1990年代初頭に「奇跡の薬」と称されたメラトニンは、SADや睡眠障害の改善に広く用いられています。市販のサプリとして入手しやすく、睡眠補助剤としての効果が期待されています。

注意点

メラトニンをサプリメントで摂取する前に必ず医師に相談してください。体内でセロトニンがメラトニンに変換されるため、メラトニンが増えるとセロトニンが減少し、うつ症状や機嫌の悪化を招く可能性があります。

過剰に摂取すると、逆に気分の変動やうつを引き起こすことがあります。また、体内で十分にメラトニンが産生されている場合にサプリを摂取すると、自然生成が抑制されるリスクがあります。

メンタルヘルス(一般) - 関連記事