急速眼球運動トレーニング(EMDR)の概要と効果
急速眼球運動トレーニングの仕組み
急速眼球運動トレーニング(EMDR)は、セラピストと患者が複数回にわたって実施する心理療法です。患者は処理したいトラウマ体験を頭の中で再現しながら、左右に動く対象(指や光)を視線で追います。その間、トラウマに結びつく負の感情を認識し、代わりに肯定的な思考や感情へ置き換える作業を行います。
急速眼球運動トレーニングが有効とされる理由
主な理論は次の2つです。
- 睡眠中のレム(REM)状態に似た、脳がリラックスした夢様状態を誘発し、記憶や感情の再処理が促進される。
- 左右の視線移動が脳の左右半球を同時に刺激し、情報統合を助けることでトラウマ記憶の整理が進む。
急速眼球運動トレーニングに関する論争
現時点(2023年)では、なぜ効果が現れるのかは完全には解明されていません。一部の研究者は、眼球運動自体は必須ではなく、他の脱感作法と本質的に同じだと主張しています。とはいえ、臨床試験ではPTSD患者に対して高い治療効果が示されており、実践的には有効な手法と評価されています。
