大学生に与える音楽の影響
音楽は大学生の生活に大きな影響を与えます。学習中に聴く音楽から、パーティーで流れる音楽まで、さまざまな形で刺激を受けます。ここでは、音楽が知能、感情、行動に与える影響を示す主要な研究を紹介します。
モーツァルト効果:クラシック音楽が知能に与える影響
1993年、カリフォルニア大学アーバイン校のフランシス・H・ラウシャーは、モーツァルトの音楽が認知機能に与える効果を調べました。大学生にモーツァルトの曲、無音、リラクゼーションテープのいずれかを聴かせ、直後に知能テストを実施しました。その結果、モーツァルトを聴いた群はテスト得点が上昇し、効果は10〜15分間持続しました。この研究は「モーツァルト効果」と呼ばれ、特に子どものIQ向上に有効とされる根拠の一つとなっています。
ヘビーメタル音楽(望まれない)と感情・知能への影響
2008年、ミルトン・E・ベックネルは18人の大学生女子を対象に、ヘビーメタル音楽が心理的・生理的に与える影響を調査しました。結果、ヘビーメタルを聴くと顎の咬筋や前頭筋が緊張し、エピネフリンやノルエピネフリンの分泌が増加するなど、闘争・逃走反応が誘発されることが明らかになりました。
好みのヘビーメタル音楽と行動・知能への影響
2006年、デビッド・S・クレイナーとK.A.ウォーカーは、男女の大学生を対象に好みの音楽が学業成績や感情に与える影響を検証しました。激しい音楽を好む学生は、抽象的思考を要する知能テストで高得点を示す傾向があり、逆に攻撃性との相関は見られませんでした。これは、ヘビーメタルのメタファーや抽象的な言語が注意を引きつける可能性を示唆しています。
テクノ音楽が脳に与える影響
1998年、心理学者G.ゲラはダンスパーティやレイブで流れるテクノ音楽の覚醒効果を調べました。テクノ音楽は心拍数と血圧を上昇させ、エピネフリンなどのストレスホルモン分泌を促すことが確認されました。また、アンフェタミンとの併用で覚醒効果が増幅し、脳波は通常のα波からβ波、θ波、δ波へと変化し、覚醒状態が変容することが示されました。
まとめ
音楽のジャンルや聴取状況によって、知能や感情、身体反応に異なる影響があることが研究から分かります。学習時の背景音楽選びや、リラックスしたいときの音楽選択は、個々の目的に合わせて慎重に行うことが重要です。
