調理が不十分な豚肉に潜む食中毒寄生虫とは?

生または加熱不足の豚肉を食べると、寄生虫による食中毒のリスクがあります。米国農務省(USDA)によれば、寄生虫は食中毒や水媒介性疾患の原因の一つです。生豚肉に特に見られる寄生虫は、トリキネラ・スピラリスとタエニア・ソリウム(条虫)です。

トリキネラ・スピラリス

トリキネラ・スピラリスは腸内回虫で、トリヒノーシス(trichinosis)の原因となります。幼虫は消化管から血流に入り、筋肉組織に嚢胞を形成します。米国では2011年以降、養豚方法の改善により発生は稀ですが、生または加熱不足の豚肉を食べる国では依然として報告されています。感染すると、吐き気・嘔吐・下痢・発熱・倦怠感・腹痛などの症状が現れ、重症例では協調運動障害や心肺機能不全を起こし、最悪の場合は死亡に至ります。

トリキネラ・スピラリスの予防

  • 生肉を取り扱ったら必ず石鹸と流水で手を洗う。
  • 豚肉は中心温度が摂氏63度(華氏145度)に達するまで加熱し、調理後は最低3分間休ませる。
  • 食肉ミンサーを使用した場合は、使用後にしっかりと洗浄・消毒する。

豚肉に寄生する条虫(タエニア・ソリウム)

タエニア・ソリウムは豚条虫で、成人条虫による腸内感染(タエニア症)と、卵が体内に入り込むことで起こる組織嚢胞症(嚢虫症)を引き起こします。タエニア症は多くの場合無症状ですが、腹痛・消化不良・体重減少・肛門周囲の刺激感などが現れることがあります。感染が長期間続くと、虫が肛門から排出される際に不快感を伴います。嚢虫症は卵を含む豚肉を摂取したときに発症し、幼虫が血流を介して脳や心臓に到達すると致命的になることがあります。

条虫感染の予防

  • 豚肉は中心温度が摂氏63度(華氏145度)以上に加熱し、調理後は最低3分間休ませる。
  • トイレ使用後や生肉を扱った後は手を洗うなど、基本的な衛生管理を徹底する。
  • 安全な飲料水(上水道または沸騰・ボトル入り)を利用し、特に水質が不安定な地域では水を1分以上沸騰させてから飲用する。

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