FDAの食品微生物検査方法
概要
米国では毎年約7600万人が食中毒にかかっていると報告されています。FDA(米国食品医薬品局)は、食品が店頭に並ぶ前に主要な病原体の有無を検査し、消費者の安全を確保しています。検査対象となる主な食品カテゴリは、レディトゥイート食品、発酵食品、生肉・家禽・海産物・卵などです。米国農務省食品安全検査局(FSIS)が特に重要視している病原体は、リステリア・モノサイトゲン、大腸菌(E. coli)、サルモネラの3種です。
PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)
PCRは微生物のDNAを増幅し、数をカウントする遺伝子操作技術です。食品サンプルから微生物を分離し、DNAを抽出した後、目的の病原体のDNAを大量に増やします。DNAベースの同定は、食品中の微生物を高精度かつ特異的に測定でき、FDAは安全基準を満たすかどうかの判定基準を定めています。
BAXシステム
デュポン社が開発したBAXシステムは、13種類のPCRアッセイを組み合わせ、最大9種の微生物を同時に検出できます。各増幅サイクルごとに特定の病原体をチェックできるため、従来のPCRに比べて検出精度と効率が大幅に向上します。たとえばE. coliの検査では、結果が約55分で得られ、従来の手法(約3.5時間)に比べて大幅に短縮されます。
A型肝炎ウイルス検査
A型肝炎は食物や調理器具が糞便に汚染されたときに感染します。このウイルスはRNAウイルスであるため、RNAを逆転写してDNAに変換し、PCRで増幅・検出します。特定のPCR検査により、サンプル中のA型肝炎ウイルス量を迅速に測定でき、食品安全管理に即座に活用できます。
