腎臓大動脈瘤の概要と手術について
腎臓大動脈瘤とは
大動脈は心臓から全身へ血液を送る太い動脈です。腎臓大動脈瘤は、腎動脈の上部、すなわち腎臓へ血液を供給する部分の大動脈壁が膨らむ状態を指します。
主な原因は動脈硬化です。高コレステロール血症や高血圧などが血管壁を硬くし、弱くなった部分が血圧により拡張して瘤が形成されます。遺伝的要因(エーラス・ダンロス症候群やマルファン症候群)や、血管炎を伴う疾患(高安病、巨細胞性関節炎、再発性多発軟骨炎)もリスクを高めます。外傷による大動脈損傷も稀に原因となります。
発症率
医学情報サイトMedicineNetによると、腎臓大動脈瘤は60歳以上の男性に最も多く見られ、約5%が罹患しています。男性の発症率は女性の約5倍です。
経過観察
診断後は瘤の大きさを定期的に測定し、増大がなければ経過観察が主な対応となります。瘤が拡大した場合は、破裂リスクを減らすために手術が必要です。
破裂時の症状と危険性
瘤が破裂すると、背部や腹部に激しい疼痛が走ります。腎不全を起こすこともあり、破裂による死亡率は約50%と非常に高いです。緊急手術が生命維持の唯一の手段となります。
手術方法の変遷
従来は開腹手術で瘤を除去し、人工血管(合成チューブ)を移植していました。近年の技術進歩により、ステントグラフトと呼ばれる血管内デバイスをカテーテルから留置する血管内修復(EVAR)が主流となり、侵襲が低減し回復が早いというメリットがあります。
