耳下腺手術のリスクと合併症

概要

耳下腺(パラティド)は唾液を分泌し、口腔内の湿潤や食物の消化に関与します。腫瘍、感染、唾液の流れの閉塞などが手術適応となります。

解剖と位置

耳下腺は耳の前下方、下顎枝の上に位置し、顔面神経が内部を走行しています。外観は三角錐形で、上面・表面・前内側・後内側の四面から構成されます。

主な症状

  • 感染時:発熱、頭痛、筋肉痛、関節痛、耳の前側が腫れる。
  • 腫瘍時:頬や顎下、舌、口蓋にしこりができ、徐々に増大し疼痛を伴うことがあります。
  • その他:口渇、虫歯、口内潰瘍、唾石症、繰り返す唾液腺感染など。

手術の種類

主に以下の3種類があります。

表層パラティド摘出術(Classic Superficial Parotidectomy)

腫瘍が表層葉にある場合に行われ、顔面神経を保護しながら外側の腺組織を除去します。

全摘出術(Total Parotidectomy)

腫瘍や感染が深部に及ぶ場合に実施し、必要に応じて顔面神経の一部を切除することがあります。術後に顔面筋の一時的な麻痺が起こることがあります。

嚢外分離摘出(Extracapsular Dissection)

腫瘍が小さく、顔面神経の機能が保たれている患者に適応する低侵襲手術です。腺の外側葉は残し、瘢痕は自然な皮膚皺に隠れます。

リスクと合併症

  • 全身麻酔に伴う一般的リスク。
  • 術後出血・感染。
  • 顔面神経の一時的または永続的な麻痺、感覚障害(耳や顔のしびれ)。
  • 術後の凹みや瘢痕。
  • 腫瘍の再発。
  • フレイ症候群(耳の前側に紅潮・発汗)。
  • まれに唾液瘻が生じ、切開部から唾液が漏れることがあります。

これらの合併症は、手術を行わない場合の腫瘍や感染の進行リスクと比較して、適切な術前評価と術後管理により最小限に抑えられます。

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