シリバム・マリアヌム(ミルクアザミ)種子抽出物の概要

ミルクアザミの花

ミルクアザミとは

シリバム・マリアヌム(別名:ホーリー・ミルクアザミ、カードゥス・マリアエ・オフィシナリス)は、キク科に属する多年草です。古代ローマの博物学者プルニウスが肝臓疾患の治療効果を評価したことでも知られています。暗緑色の葉に白い斑点があり、乳白色の樹液を分泌することから「ミルク(乳)アザミ」と呼ばれます。葉や茎には小さな棘があり、紫色の大きな花が咲き、そこに種子がつきます。地中海沿岸、南ヨーロッパ、米国の一部で自生し、1500年代頃から食用・薬用として利用されてきました。

ミルクアザミの利用法

葉は苦味のあるトニックやお茶にして胃腸の調子を整えるとされています。根や葉は小さな棘を取り除けば生でも加熱調理でも食べられ、紫色の花も食用可能です。種子は硬く消化しにくいため、粉砕して食べるよりも種子抽出物として利用する方が一般的です。市販のミルクアザミ種子抽出物は、肝臓疾患、胆石、脾臓の問題、黄疸、肝炎、胆石性疝痛などの治療や、毒素からの保護に用いられます。

シリマリン – 主成分

ミルクアザミ種子抽出物は種子からのみ抽出され、主要成分はシリマリンです。シリマリンはフラボノリグナンで、種子中に約4〜6%含まれ、強力な抗酸化作用で肝細胞を保護します。シリマリンは実際にはイソシリビニン、シリクリスチン、シリジアニン、シリビニンの4つの化合物から構成され、全シリマリン量の約50%を占めます。これらは活性酸素から細胞を守り、肝細胞のタンパク質合成を促進し、喘息や気管支炎で炎症を引き起こすロイコトリエンの生成抑制にも寄与します。

シリマリンの適正用量は現在も研究が続けられており、低用量と高用量の効果は『Journal of Hepatology』や『Journal of Clinical Gastroenterology』で報告されています。

すべてのアザミがミルクアザミではない

シリバム属(Silybum)には主に2種が知られています。代表的なのはシリバム・マリアヌム(ホーリー・ミルクアザミ)で、別名シルバーミルクアザミ、エレファント・スロー、アイボリー・スローなどがあります。もう一つはシリバム・エブルヌム(ブレッシング・ミルクアザミ、バリゲート・スロー)です。どちらも種子にシリマリンを含みます。一方、カニクス属のブレッシング・スローやスウ・スロー、ヘアー・スローなどはシリバム属ではなく、シリマリンを含みません。

副作用

ミルクアザミ種子抽出物の副作用としては、消化不良や軽度の胃腸障害、緩やかな下剤効果が報告されています。キク科の植物(マリーゴールド、キク、菊、ヨモギなど)にアレルギーがある人は、同様のアレルギー反応を示す可能性があります。

また、ピッツバーグ大学の研究では、シリマリンが肝臓の酵素活性を抑制する可能性が指摘されています。酵素活性が低下すると薬物の代謝が遅れ、血中濃度が上昇しやすくなるため、特定の薬剤と併用する際は注意が必要です。

ハーブ療法 - 関連記事