認知症患者に対するセロクエル(Seroquel)の代替薬とは
セロクエル(Seroquel)とは
セロクエルは統合失調症や双極性障害(うつを伴う場合も含む)の急性エピソードの治療や維持管理に用いられる抗精神病薬です。重症例では入院が必要になることがあります。
セロクエルの剤形
セロクエルには「XR」印の錠剤と印のない錠剤(IR)があります。XRは徐放性(Extended Release)で血中への薬物放出がゆっくり進み、IRは即効性(Immediate Release)で一度に血中濃度が上昇します。
認知症とその罹患率
認知症は記憶力や日常的な認知機能の低下を特徴とし、加齢とともにリスクが高まります。アルツハイマー協会やHealthwiseのデータによれば、85歳になると約35%の人が認知症と診断される可能性があります。
認知症患者に対するセロクエルの使用は禁忌
認知症が診断された場合、セロクエルの使用は強く推奨されません。製薬会社(アストラゼネカ米国)の情報によれば、認知症関連精神病を有する高齢者がセロクエル XR を使用すると、プラセボに比べ死亡リスクが増加します。FDA も同様に「ブラックボックス警告」を義務付けています。
認知症に対する非薬物的介入
まずは環境調整が重要です。介護者の交代、来客、住環境の変化などが患者の気分に大きく影響します。これらのトリガーを特定し、可能な限り安定した生活環境を整えることが第一の対策です。
薬物療法の代替選択肢
精神症状が出た場合でも、セロクエル以外の薬剤を検討します。
- 気分低下やイライラには、シタロプラム(セレクサ)、フルオキセチン(プロザック)、パロキセチン(パキシル)、セルトラリン(ゾロフト)、トラゾドン(デシレル)などの抗うつ薬が有効です。
- 不安や落ち着きのなさには、ロラゼパム(アティバン)やオキサゼパム(セラクス)などの抗不安薬が使用されます。
- 幻覚・妄想などの精神病症状には、アリピプラゾール(アビリファイ)、オランザピン(ジプレキサ)、リスペリドン(リスペリダル)、ハロペリドール(ハルドール)などの抗精神病薬が選択肢となりますが、死亡リスクが高いため使用は最小限に抑え、厳重な観察が必要です。
まとめ
認知症患者にセロクエルを使用することは死亡リスクが増大するため避けるべきです。まずは環境調整などの非薬物的介入を行い、必要に応じて上記の代替薬を慎重に選択します。
