憩室炎に伴う主な合併症と対策

憩室炎は、腸管に小さな膨らみ(憩室)ができ、炎症を起こす状態です。憩室は胃や食道、小腸にも現れますが、最も多いのは大腸です。多くの患者は症状がなく経過観察で済みますが、合併症が起きると重篤化し、日常生活に大きな影響を与えます。

腹膜炎(Peritonitis)

炎症を起こした憩室が破裂すると、腸内の内容物が腹腔に漏れ出します。これにより腹膜が炎症を起こし、急性腹膜炎となります。メイヨークリニックでも「緊急治療が必要な医療緊急事態」と位置付けられています。

直腸出血

憩室が感染したり裂けたりすると、直腸から出血することがあります。血液がトイレットペーパーに付着する程度の軽度から、便に血が混ざるほどの大量出血まで、症状は幅広いです。

膿瘍(Abscess)

憩室が裂けると、膿がたまった膿瘍が形成されます。放置すると膿瘍が破裂し、腸内容物が腹腔に流入して感染を拡大させます。適切な抗生物質治療や外科的ドレナージが必要です。

腸閉塞(Intestinal Obstruction)

炎症や瘢痕組織により腸管が狭窄し、糞便やガスの通過が妨げられると腸閉塞が起こります。完全閉塞の場合は緊急手術で閉塞部を除去します。部分的な閉塞は経過観察や薬物療法で管理できることもあります。

瘻孔(Fistula)

感染した組織が隣接する臓器と癒着し、異常な通路(瘻孔)を形成します。最も多いのは腸と膣、膀胱、または腹壁との間にできる瘻孔です。瘻孔は外科手術で修復することが一般的です。

癌の診断遅延

憩室炎自体が癌を引き起こすわけではありませんが、炎症による画像所見の変化で結腸癌や直腸癌の診断が遅れることがあります。メイヨークリニックは、憩室炎の既往がある患者は年1回の大腸内視鏡検査で癌の早期発見を推奨しています。

消化器の健康 - 関連記事