骨粗鬆症の注射治療

注射薬は、骨粗鬆症の予防と治療に革命的な変化をもたらしました。高リスク患者やすでに症状が進行している患者は、年に1回から4回の静脈内注射で必要な治療を受けられます。口服薬を毎日忘れがちな方にとって、注射治療は便利な代替手段です。

骨粗鬆症とは

米国国立関節リウマチ・筋骨格・皮膚疾患研究所(NIAMS)の定義によれば、骨粗鬆症は「骨量が低下し、骨組織の構造が劣化する」進行性の疾患です。初期段階では自覚症状がほとんどなく、静かに骨を弱めます。進行すると、股関節や脊椎の骨折が起こり、長期的な障害につながります。骨粗鬆症は予防・治療が可能なため、米国骨粗鬆症財団(NOF)は認知拡大とリスク要因の啓発に力を入れています。

罹患率

NIAMS の推計では、米国で約1,000万人(ほとんどが女性)が骨粗鬆症を抱えています。男性でも約200万人が同疾患に罹患しており、年間で1,500,000件以上の骨折が報告されています。内訳は、椎体骨折70万件、股関節骨折30万件、手首骨折25万件、その他の部位の骨折30万件です。

リスク要因

リスク要因は「変更できないもの」と「変更できるもの」に分けられます。変更できない要因は性別(女性が圧倒的に多い)や年齢(閉経後の女性に多い)、家族歴、体格が小さいこと、白人・アジア系であることなどです。一方、変更可能な要因としては、エストロゲンやテストステロンなど性ホルモンの低下、カルシウム・ビタミンDの不足、運動不足、過度の飲酒、喫煙、特定の抗てんかん薬やグルココルチコイドの使用が挙げられます。

注射薬の現状

ホルモン補充療法は閉経後女性に有効ですが、骨粗鬆症の薬は大きく「ビスホスホネート系」と「カルシトニン系」の2つに分かれます。

  • ビスホスホネート系:Fosamax、Boniva、Actonel、Reclast など。Boniva と Reclast は注射剤として利用可能で、Boniva は年4回、Reclast は年1回の投与が推奨されます。
  • カルシトニン系:Fortical、Miacalcin(注射剤)があります。
  • 副甲状腺機能低下がある患者には、テリパラチド(商品名 Forteo)という副甲状腺ホルモンの注射が、骨吸収を抑制し骨形成を促進します。

将来の展望

バイオテクノロジー大手のアムジェンは、デノスマブ(商品名 Prolia)という新しい注射薬を開発中です。2020 年に米国食品医薬品局(FDA)の承認を受け、半年に1回の投与で破骨細胞の活性を抑制し、骨密度の維持・向上が期待されています。

注射治療は服薬の負担を減らし、継続的な骨密度管理を可能にします。骨粗鬆症のリスクがある方は、医師と相談の上、最適な治療法を選択しましょう。

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