高タンパク質食が腎臓に与える影響と注意点
高タンパク質食の特徴
高タンパク質食では、果物やジュース、パン、米、パスタなどの炭水化物を大幅に減らし、肉、チーズ、卵、デンプンを含まない野菜などを中心に摂取します。炭水化物を制限することで、体は脂肪やタンパク質、または体内に蓄えた脂肪をエネルギー源として利用し、結果としてケトン体が生成されます。ケトン体は尿中に排泄され、ダイエットの進捗を測る指標とされます。
長期的な安全性や有効性を示す研究は十分ではなく、賛否が分かれています。一部の医師は体重減少や血中脂質の低下に効果があると評価しますが、他方ではカロリー摂取が自然に減少するだけで、食事の選択肢が限られ過ぎている点や、脂質・コレステロールが多くなる点を指摘しています。従来の減量プログラム(例:Weight Watchers)と比べても、必ずしも優位性は確認されていません。
腎臓への影響
メイヨークリニックの登録栄養士Katherine Zeratsky氏によると、タンパク質はアミノ酸に分解され、酵素の材料となります。余剰のアミノ酸は窒素を除去され、窒素は尿素やアンモニアとして腎臓に負担をかけます(参考文献1)。さらに、タンパク質分解産物である尿酸や尿素を排出しようとする過程で、骨からカルシウムが流出し、腎臓に結石が形成されやすくなります。
高タンパク質食は健康な成人には比較的耐容性がありますが、全粒穀物や果物、野菜といった他の重要な栄養素が不足しがちです。また、肉や乳製品、卵は脂肪とコレステロールが多いので、魚、豆類、レンズ豆、低脂肪乳製品などを選ぶことが望ましいです。
注意点
腎機能に何らかの異常がある場合は、医師の許可なしに高タンパク質食を始めるべきではありません。ボストンのブリガム・アンド・ウィメンズ病院で行われた看護師健康調査(Dr. Eric Knight, M.D., MPH)では、軽度の腎障害を抱える女性が高タンパク質食を続けると、腎機能の低下が速く進行したと報告されています(参考文献2)。実施する場合は、定期的に腎機能検査を受け、医師の管理下で行うことが重要です。
