不安に対する歴史的治療法
医師は1870年代に不安を「神経性疲労」と呼び、1950年代の精神科医は不安に対して合理的情動行動療法(REBT)を提案しました。1970年代には認知行動療法(CBT)が主流となり、現在の高い治療成功率は過去の試行錯誤に支えられています。
1870年代の不安治療
- 家庭医の手引きでは「神経性疲労」の患者に過度な運動を禁じ、神経系への負担を避けるよう指示しました。
- 当時はストリキニン、ヒ素、キニーネが不安緩和に用いられ、重症例では背骨に「白熱した鉄」を当てる療法も行われました。
1920年代の不安治療
- 恐怖対象に直面させる「エクスポージャー」法が実施され、現在でも広く使われています。
- ラジオニクスと呼ばれる装置で、健康なエネルギーを体の不調部位に伝えるとされましたが、効果は不明です。
1950年代の不安治療
- 心理学者アルバート・エリスが提唱した合理的情動行動療法(REBT)は、思考が感情に与える影響を検証し、否定的な思考をポジティブに置き換える技法です。
1970年代の不安治療
- アーロン・ベックが体系化した認知行動療法(CBT)は、論理的誤謬を指摘し、過度の一般化などの思考エラーを修正します。たとえば「誰も私のことが好きではない」という考えは、全世界が同意しているわけではなく、過剰な一般化とされます。
現代の不安治療
- 白熱した鉄や有毒な薬剤は使われず、プロザックなどの抗不安・抗うつ薬が主流です。
- 恐怖症は1920年代と同様のエクスポージャー法で効果的に治療されます。
- エリスとベックが築いた認知療法は、成人・子ども問わず最も成功率の高い不安障害治療法とされています。
