消火器の正しい設置場所と使用手順(PASS)

火災が起きる前に、消火器の設置場所や使い方を正しく理解しておくことは非常に重要です。消火器は常に満充電の状態で、すぐに取り出せる場所に置いておかなければ意味がありません。月に一度は点検し、圧力が正常か確認しましょう。煙を見た瞬間に建物から脱出する時間は限られていますが、消火器が適切に使える数秒が、あなたと家族の安全な退避に大きく貢献します。

目に見える場所に設置

消火器は出入口の近く、手の届く範囲に目立つ場所に置くべきです。シンクの下やパントリーの奥、冷蔵庫の上など見えにくい場所にあると、緊急時に探す時間が失われ命に関わります。消火器を手に取ったら、必ず「PASS」の手順を思い出してください。

P = Pull(ピンを抜く)

消火器の首(タンク)を握り、ハンドルではなくピンを引き抜きます。ピンは誤作動防止のために装着されていますが、抜かないと中身は放出されません。

A = Aim(噴射口を向ける)

噴射口は火元の根元(燃えている物の底)に向けます。火は「空気・燃料・熱・化学反応」の4要素で燃え続けますが、ABC消火器の泡は燃料を覆い、空気を遮断して燃焼を止めます。泡が残っている間は火は再燃しませんが、泡が消えると再び燃える可能性があります。

泡は人や動物に直接噴射すべきではありません。人が燃えている場合は毛布で覆い、止め・落ち・転がす(stop, drop, roll)で対処してください。

S = Squeeze(ハンドルを握る)

ピンを抜き、噴射口を根元に向けたら、ハンドルをしっかり握って泡を放出します。消火器の圧力が5ポンド(約2.3kg)あたり、13〜18秒間使用可能です。その間に火が再燃しないように注意し、背後に出口を確保しながら作業してください。もし1分以内に建物から出られない場合は、仲間に救助要請を依頼しましょう。

S = Sweep(左右に掃く)

噴射した泡を火元の全周にわたって左右に掃くように動かし、燃料全体に泡が行き渡るようにします。これにより火が再び燃え上がるのを防ぎます。

退避のための後退

火が自分と出口の間に入った場合は、決して消火しようとせずにすぐに退避を優先してください。煙や炎を感知してから建物が全焼するまで、最短で90秒程度しかかかりません。安全に脱出できないと判断したら、無理に戦わずに避難経路を確保しましょう。

計画を立て、実行する

火災時の避難計画を作成し、紙に出口ルートをすべて記載します。主な逃げ道と代替ルート(窓、ダクト、隣接する部屋のドア、スライド壁など)を明示し、家族全員で共有しておくことが重要です。

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