米国農務省(USDA)の検査要件

1862年、エイブラハム・リンカーン大統領は米国農務省(USDA)を設立し、農業コミュニティへ教育・技術・アイデアの普及を目指しました。産業革命で生まれた蒸気力などの新技術を農村部にもたらすことが目的でした。

1905年、作家ユートン・シンクレアの小説『ジャングル』がシカゴの屠殺場での残虐な実態を暴露したことを受け、USDAはその使命を拡大。翌年、食品安全検査局(FSIS)を設立し、消費者向け農産物の健康と安全を確保する体制を整えました。

肉の検査

1906年の肉検査法により、屠畜業者はすべての動物を屠殺前に検査し、病気の兆候があるものは除外しなければなりません。また、人道的な屠殺が行われたか、屠体を検査し合格品にはスタンプを付けることが義務付けられています。さらに、屠殺場の衛生基準をUSDA職員が監督します。

家禽(鶏・七面鳥など)の検査

1957年の家禽製品検査法では、鶏、アヒル、ガチョウ、七面鳥、ウズラなどの屠殺・加工過程でUSDA検査官が検査を行います。目的は汚染された家禽製品が食糧連鎖に入らないようにすることです。同時に、加工施設がUSDAの衛生基準を満たすかを確認し、合格品は等級付けと表示が義務付けられます。

卵・卵製品の検査

米国では年間約800億個の卵が消費され、その約30%が加工卵製品として利用されています。1970年に議会は、殻卵と加工卵製品の検査権限をUSDAに付与しました。全卵取り扱い工場では、清潔さと適正温度での保管が確認され、3か月に1回の定期検査が行われます。また、卵製品の割り出し・低温殺菌工程はUSDAが継続的に監視し、表示ラベルの正確性もチェックします。

穀物の検査

1976年に設立された連邦穀物検査サービス(FGIS)は、国内外向けに出荷される穀物の品質評価と認証を行います。実際には1916年から穀物検査を実施しており、FGISは業界全体に統一基準を提供しています。検査官は穀物エレベーターや倉庫に保管されたロットからサンプルを採取し、品質・重量・保管状態を検査します。検査合格後、FGISはマーケティングに使用できる検査証明書を発行します。

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