亜麻が低密度リポタンパク質(LDL)に与える効果

有害な低密度リポタンパク質(LDL)を減少させることは心血管の健康に不可欠です。スタチンはLDLコレステロールを下げる薬として広く処方されますが、副作用により約25%の患者が服用を中止します。食事に亜麻を取り入れることで、スタチンを使用できない人や心血管疾患予防を目指す人のLDL血中濃度を低減できる可能性があります。

コレステロール

コレステロールは血液中をリポタンパク質という物質が運ぶワックス状の脂肪です。主なリポタンパク質は低密度リポタンパク質(LDL)と高密度リポタンパク質(HDL)です。LDLは動脈壁にコレステロールが蓄積しやすく「悪玉コレステロール」と呼ばれ、プラーク形成や心筋梗塞・脳卒中の原因となります。一方、HDLは「善玉コレステロール」とされ、余分なコレステロールを肝臓へ運び排泄させる役割があります。

亜麻(フラックス)

亜麻は古くから繊維(リネン)や種子(リネンシード)として利用されてきた一年草です。亜麻の種子は食物繊維、タンパク質、必須脂肪酸(特にα-リノレン酸(ALA))、リグナンと呼ばれる植物性エストロゲン様化合物を豊富に含み、コレステロール低下効果が期待されています。

食物繊維とLDL

亜麻の種子は水溶性・不溶性食物繊維を多く含み、1杯(約2大さじ)の粉砕した種子で4gの食物繊維が摂取できます。不溶性繊維は腸内で形を保ち、便通を促進します。一方、水溶性繊維は血中コレステロールに結合し、体外へ排出させます。研究では、1日あたり1〜2gの水溶性食物繊維摂取でLDLが約1%低下すると報告されています。なお、亜麻油には食物繊維は含まれません。

リグナンとLDL

リグナンは植物性エストロゲンで、ヒトのエストロゲンに近い構造を持ちます。亜麻種子は他の食品の約100倍のリグナンを含み、特にセコイソラリシレジンジグルコシド(SDG)がコレステロール低下に関与しています。米国心臓協会の研究によれば、SDGは総コレステロールとLDLを減少させ、HDLを増加させることで動脈硬化のリスクを低減します。亜麻油にはリグナンはほとんど含まれません。

形態と摂取目安

亜麻は全粒種子、粉砕種子、亜麻油の形で販売されています。LDL低下効果が確認されているのは種子であり、油では期待できません。全粒種子はそのままでは消化吸収が難しいため、粉砕してから摂取する必要があります。粉砕後は酸化や光劣化が早いため、24時間以内に使用するのが望ましいです。目安としては、1日2〜3回にわたり大さじ1杯(約10g)を摂取するか、1日1回に大さじ2〜4杯を摂取する方法があります。

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