逆流性食道炎(GERD)の治療と生活習慣の改善
GERD(胃食道逆流症)は、胃酸や胆汁が食道に逆流し、食道粘膜を刺激して炎症を引き起こす慢性の消化器疾患です。症状は胸やけや胸部不快感などで、軽度の場合は生活習慣の見直しや市販薬で対処できますが、重症例では処方薬や手術が必要になることがあります。
治療法の概要
GERDの治療は主に「薬物療法」と「生活習慣の改善」、そして症状が重い場合は「手術療法」の三つに分かれます。
薬物療法
- 制酸剤(市販薬):アルカ・セルツァー、マロックス、マイランタ、ロライズなどがあり、胃酸を中和します。カルシウム補給効果があるタムスやアルカ‑2も同様に使用できます。
- H2受容体拮抗薬:タグメットHB、ペプシドAC、ザンタック75などは胃酸分泌を抑制し、短期間の症状緩和に有効です。
- プロトンポンプ阻害薬(PPI):プレロセック、プレバシッド、ネキシウムは胃酸の分泌を強力に抑え、食道粘膜の治癒を促します。
- プロキネティクス:ウレコリンやレグランは胃排出を早めますが、倦怠感や抑うつ、不安などの副作用が報告されています。
手術療法
薬物療法で十分な効果が得られない場合、以下のような手術が検討されます。
- 下部食道括約筋(LES)を強化する手術(例:ニッセン胃噴門形成術)
- LES周辺に縫合を施し、胃酸の逆流を防止するバリア形成手術
生活習慣の改善
- 体重管理:肥満は胃圧を高め逆流を促進します。
- 禁煙:喫煙はLESの緩みを引き起こします。
- 食事の工夫:チョコレート、カフェイン、柑橘類、脂っこい・揚げ物、にんにく、玉ねぎ、トマト系食品(ピザなど)を控える。
- 食事量を少なめにし、食後少なくとも3時間は横にならない。
- 就寝時にベッドのヘッド部分を15〜20cm上げる。
これらの対策を組み合わせることで、多くの患者は症状のコントロールが可能です。
